Shopify(ショッピファイ)は優れたECカートシステムだが、それ以上に大事な要素がある

呉 達人

こんにちは。長野県佐久市のShopify Experts認定企業・合同会社FRONTIER TRADE代表の呉(くれ)です。
Shopify新規構築をはじめ、自社EC・Amazon・楽天市場・クラウドファンディングを活用した総合的なEC運営支援に取り組んでいます。

私がShopify(ショッピファイ)を使い始めた理由は付き合いの長いD2Cブランドを展開する経営者の方から紹介してもらったことです。
様々なECカートシステムを利用した経験をお持ちで「この人が言うならそうなんだろうな」と納得するくらいShopifyのメリットや強みはすぐに理解出来ました。

実際に私自身も海外ブランドの公式ストアとしてShopifyを利用していますし、これから自社ECサイトを運営したいとお考えの方には高確率でShopify(ショッピファイ)をオススメします。とはいえ、何でもかんでも「Shopifyが最強!」とか「Shopifyだけで儲かる!」みたいな話では全くありません。

これからもShopifyに関しての情報発信をしていきます。そして私自身もいちプレイヤーとしてECサイト運営、販売に関わっていく立場として、決して忘れてはいけないことを今回はまとめていきます。

確かにShopifyは優れている

Shopify(ショッピファイ)についての概要は別記事にまとめたので割愛しますが、Shopifyは様々な要素で優れたECカートシステムだと考えています。
特に従来のECカートシステムは「高い・遅い・使いにくい」の三重苦とも言える状況が当たり前でした。

本格的な自社ECサイトを運営しようと考えても、まずは料金が高い。それは初期構築費もそうですし、運営費もそうです。
遅いというのは動作のことでは無く、ストアの立ち上げにまでに掛かる時間です。どうしても1からオリジナリティを求めていくと時間が掛かります。
そして使いにくさ。具体的には管理画面のインターフェースや外部連携のしにくさです。

課題はバランスです。例えば管理画面のインターフェースを良くしようと思ったら時間が掛かる。時間を掛けなければインターフェースには時間を割けない。安く済ませようと思ったら出来ることは限られる。

まさにこれらのバランスが取れているという点でShopifyは優れています。
言わば「安い・早い・使いやすい」です。

使いやすさは一部英語があったり、サードパーティー製のShopifyアプリは開発者によって仕様が異なるので一概には言えませんが、総じて従来の課題だったアンバランスさは大部分において解消できていると考えています。

Shopifyを使えば何でも売れるわけじゃない

今回の記事で最も言いたいことはこれです。

Shopifyを使えば何でも売れるわけじゃない!

もちろん私自身にも言えることです。というより私の実経験、失敗談でもあります。

私はもともとWEB関係の仕事をしており、独立してから物販業界、小売業界に入りました。WEBと物販は今や切っても切り離せない関係ですが、中でもWEBとECは似て非なるものだと考えています。
それを学んだのが、まさにShopifyを使えば何でも売れるわけじゃない、ということです。

今やオンラインで買い物をするのは当たり前の時代ですが、だからといってECが最強かと言えばそうでもありません。

経済産業省が2019年5月に発表した2018年度のBtoCにおけるEC市場規模は17兆9,845億円(前年約16.5兆円)で前年比8.96%に拡大しています。
GDPが実質ゼロ成長の中でEC市場は着実に成長していることは数字から見ても明らかです。
しかし全体の割合を示すEC化率は6.22%となっています。

逆に言えば約93%はオフライン、実店舗で取引されているということです。
ECは着実に身近になりつつありますが、市場全体で見れば意外とまだほんの一部なのです。

つまり、いくらShopifyが優れていたとしても「Shopifyを使えば何でも売れるわけじゃない」理由はここにあります。

Shopifyを使って1週間で売上100万円達成

先ほどと矛盾するかもしれませんが、一方でShopifyを使ってECサイトを立ち上げ、開店からわずか1週間で約100万円の売上を上げているストアさんを知っています。

その要因こそが今日のタイトルにも書いている「それ以外の大事な要素」です。

ズバリ「商品力」です。

もっと細かく言えばストアを立ち上げる前からの認知度やメディアによる影響力の大きさなど複数の要素が重なり合った結果、相乗効果的にストアの開店からわずか1週間で約100万円の売上が立ったと言えます。

しかし根本的な部分、揺るぎない要素は商品力があることです。

私の失敗談もここにあります。つまり商品力を無視して「とにかくShopifyを立ち上げれば売れる」と勘違いしていた時期がありました。
もちろん様々な施策やShopify内での改善、マーケティング系のアプリ導入など出来る施策はあります。とはいえ、根本的に売れる商品、つまり商品力のある商品でなければShopifyを使ったところで飛び抜けた成果を出せるわけではありません。

Shopifyは手段の1つであり、あくまでも大事なことは商品そのものの魅力です。

こんな商品ならShopifyがオススメ

このことからも、下記の要素に該当する商品でまだShopifyを使っていなければ、チャンスはあります。

  • 実店舗ではよく売れるけどオンラインでは売ってない
  • お客さんからオンラインで売って欲しいという要望が多い
  • 何もしてないECサイトからポツポツ売上はあるけど面倒なので放置状態

最初の2点はすでにECサイトのニーズが表面化しているケースです。

実店舗ですでに売れており、オンラインでも販売可能な商品であればShopifyを使ったECサイト運営を検討すべきです。
もちろん立ち上げに掛かるコストや運営などの手間は発生します。しかしそれは私たちのようなShopify初期構築サービスやShopify運営サポートを利用頂くことで解消できます。知識や経験も不要です。

3点目はすでにECサイトは持っているけど、運営や更新が面倒でほとんど放置状態、というケース。
何もしていない、けどなぜ分からないけどたまに注文が来る。これは商品そのものに魅力がある、商品力がある証拠です。

お客様は本当に欲しい商品であればどんな手段を使ってでも探して買います。それがオフラインであれば物理的な制約を受けることになります。
例えば沖縄の人が北海道でしか食べられないラーメンを食べたいと思ったら北海道に行くしかありません。

しかし、オンラインであれば探すという手間は掛かるものの、もしECサイトを見つけて決済ができれば勝手に注文するものです。(それだけ欲しければ)

つまり放置状態のECサイトなのに勝手に注文が来ると言うことは、お客様がわざわざ使いにくいECサイトという、オンライン上の秘境の地まで訪れて買い物をしてくれていると言えます(表現は悪いですが笑)。

そういった状況の商品(既存のECサイト)をShopifyを使ってメンテナンスあるいは新規立ち上げすれば、これまで以上の売上をすぐにでも獲得することは十分に可能です。

まずは商品力・次に手段

私が学んだことはShopify初期構築サービスという開発者の立場でも活きていきますし、実際にブランド展開をする販売事業者の立場としても活きます。
だからこそ私は自社でブランドや自社商品を展開する小売事業もやっていますし、こうしてShopifyに関する情報発信やShopify初期構築サービスの展開もしています。

どちらにとっても言えることは、まず商品力がある商品を作り上げること。
そして、商品力がある商品を販売する、流通させる手段の1つとしてShopifyがあります。

このことを肝に銘じてください。

いや、偉そうに言えませんね(笑)

私も肝に銘じて取り組んでいきます。

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