ご存知の通り、国内外で猛威をふるっている新型コロナウイルス。
深刻な影響を考慮して政府からも企業支援(融資や補助金)を積極的に行なうと表明されています。
その一環として毎年5月末頃に申請受付を開始している「IT導入補助金」が先週、3月13日(金)より申請受付を開始しました。
申請受付の締め切りは3月31日(火)17時となっています。
今回は特例的な措置のため、締め切りまでほとんど時間が無いという状況になっています。そこで今日はIT導入補助金について情報を整理していきます。
目次
IT導入補助金2020概要
まずは今回受け付け分となるIT導入補助金2020の概要です。
補助対象者
補助対象者は中小企業・小規模事業者等(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象)という幅広い対象となっています。具体的には下記の通りです。
業種 | 資本金・出資総額 | 従業員数 |
---|---|---|
製造業、建設業、運輸業 | 3億円以下 | 300名以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100名以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100名以下 |
小売業 | 5,000万円以下 | 50名以下 |
ゴム製品製造業 | 3億円以下 | 900名以下 |
ソフトウェア業または情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300名以下 |
旅館業 | 5,000万円以下 | 200名以下 |
その他(上記以外) | 3億円以下 | 300名以下 |
医療法人・社会福祉法人 | 300名以下 |
資本金・出資総額と従業員数は「又は」が条件になります。また学校法人など一部割愛いたしました。
補助対象経費
ソフトウエア費、導入関連費等
細かい区分は割愛しますが、Shopifyを活用したECサイトの「新規構築」は対象となります。
補助金の上限額・下限額・補助率
上限額:150万円未満
下限額:30万円
補助率:1/2以内
上限・下限額は今回の2020受付分に限ります。また補助金額は見積金額の1/2なので、見積額60万円~300万円(税別)が対象となります。
募集期間
第1回申請受付開始:2020年3月13日(金)
第1回申請受付締切:2020年3月31日(火)17時
事業実施期間:交付決定後~2020年9月30日(水)
※申請できるのは中小企業・小規模事業者等(1法人・1個人事業主)当たり1申請のみ
※本公募にて不採択となった場合でも次回公募以降での交付申請は可能
注意事項
IT導入補助金は「これから新規で導入する場合」に限ります。
そのため既に稼働しているECサイトのリニューアルや、新規構築が決定しているためにドメインを取得してしまうといった作業を進めてしまうと対象外になります。
必ず「計画段階」で実務は止めておき、補助が採択されてからドメインの取得やパートナーへの正式依頼しましょう。見積もり書を取得するためにコンタクトを取るのはもちろんOKです。
申請の具体的な準備・流れ
IT導入補助金2020を申請するための具体的な準備と流れをまとめました。
申請時に必要な書類
・法人税の納税証明書(その1またはその2)
※直前期の税務署窓口取得のものに限る。電子納品証明書は不可。
・所得税の納税証明書(その1またはその2)
※平成30年度分の税務署窓口取得のものに限る。電子納品証明書は不可。
・所得税確定申告書B
※平成30年度分の税務署の受領印もしくは受信通知があるものに限る。
申請から交付までの流れ
通常の補助金と異なり応募(申請)期間が非常に短くなっています。その分だけ応募すれば採択される確率が高い可能性もあります。4月以降でShopifyでのECサイト新規構築をお考えでしたら、まずは応募してみてもいいのではないでしょうか。
補助金と助成金の違い
今回は「IT導入補助金2020」となりますが、補助金と助成金の違いについて簡単に整理しておきましょう。
補助金と助成金、どちらも融資とは異なり返済不要の支援金という意味では近い要素です。しかし補助金と助成金には明確な違いがあります。
助成金とは
助成金とは一定の条件を満たすことで必ず支給される支援金のことです。
大まかには雇用関係の助成金と研究開発関係の助成金があります。多くの企業にとっては雇用関係の助成金が対象となります。
つまり、極端に言えば雇用を積極的に行う場合の支援を受けるためのお金が助成金、と考えておけばひとまずはよいかと思います。
補助金とは
補助金とは期間内に応募して採択されたら支給される支援金です。
今回の「IT導入補助金2020」も概要を見ていただければお分かりと思いますが、まずは期限内に応募(申請)し、採択されれば支給されるという仕組みです。つまり応募(申請)しても審査を通らなければ補助金を受けることができないこともあります。
補助金と助成金の共通点
先ほども書きましたが、金融機関からの融資とは異なり、返済義務がありません。つまり「貰えるお金」と言えます。
もちろん、その分だけ助成金も補助金も対象となる条件や期限などが設けられています。残念ながら「誰でも貰えるお金」ではありません。
また、近年はそういった要素から補助金や助成金の不正受給が問題にもなっています。正当な理由で定められた通りに活用すべきということは常識的に考えても補助金・助成金の共通点と言えます。
使えるものは使っておく
補助金も助成金も基本的にはルールが決まっていますが、今回のような特例として通常の応募期間とは異なる対応もあります。
特に今回は補助金に限らず金融機関の融資姿勢も前向きになっていると考えられています。
融資姿勢とは主に不動産業界で使われている用語ですが、要は銀行が企業や個人に対してお金を貸したい気持ちの強さと言えます。
新型コロナウイルスの影響で多くの企業が打撃を受けています。
観光業や娯楽業といった余暇を楽しむために提供しているサービスや施設は特に深刻です。もちろんそれ以外にも多くの企業やお店、あるいはフリーランスの方々が仕事や業績に対する不安を抱いています。
それに対して政府や政府系機関が支援に乗り出しており、その一環として「IT導入補助金2020」や「セーフティネット保証制度」なども適用が認められています。こうした政府が支援する制度に該当する場合、使わない手はありません。
企業経営においてキャッシュは何よりも大切です。と言っている私自身も決して余裕があるわけではありませんが、こうした危機的な状況だからこそピンチをチャンスと捉えてアクションを起こしてみてはいかがでしょうか。
私たちもしっかりと地に足を付けてビジネスが出来るようにまい進します。
最後になりますが、IT導入補助金の詳しい情報は公式サイトもご覧ください。
https://www.it-hojo.jp/2020emergency/