ECサイト運営を始めるなら絶対に利用・設定すべき鉄板サービス・ツール集

呉 達人

こんにちは。長野県佐久市のShopify Experts認定企業・合同会社FRONTIER TRADE代表の呉(くれ)です。
Shopify新規構築をはじめ、自社EC・Amazon・楽天市場・クラウドファンディングを活用した総合的なEC運営支援に取り組んでいます。

これからEC(ネットショップ)運営を始める場合、絶対に利用・設定したほうがいい鉄板と言えるサービスやツールをご紹介します。

ご紹介の大前提として、全てのサービス・ツールにおいて筆者である私、呉が実際に利用している(したことがある)という経験に基づいています。またそれだけでなく、私が親しくさせて頂いている経営者の方やコミュニティで得た情報なども含めてご紹介していきます。

これからECサイト運営を始めたいと考えている、特にECやWEB初心者の方に参考になればと思います。

ECカートシステム

まずは何と言ってもECサイト運営にあたって必ず必要なツールがECカートシステムです。
ECカートシステムはざっくりと大きく分けて3種類あります。

  • 無料外部システム
  • 有料外部システム
  • 内部構築または委託

外部のECカートシステムを利用する場合は無料か有料かに分かれます。これらの共通点はカートシステムを提供するプラットフォームにてアカウントを作成し、そのサービス内(あるいはサービス内で外部パートナーと連携)でECサイトを運営します。サービス内とはいえ、プラットフォームによってオリジナリティが出せるものから制限があるものまで様々です。

もう1つの選択肢が内部構築または委託構築。これは要するに自社で構築するか、または制作会社に委託して構築するかという選択。完全オリジナルで構築できるので、時間とコストは掛かる反面、予算の範囲内で自由なECサイトが構築、運営できます。

では、実際にどれを選ぶべきかをご紹介します。

Shopify

このブログ名からして言うまでも無いかもしれませんが(笑)
Shopifyは上記で言う有料外部システムになります。Shopifyが提供するサービスにアカウントを登録し、Shopifyが提供するデザインテンプレートや外部パートナーが構築したテンプレートを使って構築します。

Shopifyの良さはカスタマイズがしやすいこと。
ECカートを提供する外部システム、とは書きましたが、Shopifyが提供するシステムは良い意味で最低限です。管理画面はもちろんですが、その中で無料デザイン、最低限の決済機能、SSL、ドメイン(外部取得も可)といったECサイト運営に必要最低限の機能だけが標準実装されています。

逆に言えば、それ以外の機能はサードパーティーが構築するアプリやPaypal、Amazon Payといった外部決済システムと連携してカスタマイズしていくことになります。

WEBやEC初心者の方、あるいは疎い方にとってはこれを聞いただけでもハードル高く感じるかもしれませんが、実際に触ってみるとそこまででもありません。

また、どうしても自分たちで対応するのは難しい、という場合でも外部委託しやすいのもShopifyの良いところだと考えています。多くの人にとってカスタマイズがしやすいということは、たとえ自分たちでは出来なくても委託先のパートナーにとって使いやすいシステムだと言えます。
つまり、無駄なリソースを割く必要がないので委託先となるパートナーの負担も減り、その分だけ重要な要素にリソースを割くことが出来ます。もっと分かりやすく言えば、単純に立ち上げコストや運用コストが安く済むと言えるかもしれません。

BASE

私自身は現在Shopifyのメインに運営していますが、以前はBASEも積極的に使っていました。
BASEの良いところは何と言っても初期費用、固定費が無料。
つまり立ち上げのハードルが全くありません。厳密にはデザインテンプレートが一部有料ですが、それでも1万円前後のデザインを購入すれば買い切りなのでそれ以外の費用は掛かりません。

カスタマイズもGoogleアナリティクス連携、Facebookピクセル設定、独自ドメインなど重要な機能は無料で簡単に連携できます。商品が売れたら販売手数料・決済手数料がかかるだけなのでリスクなく自社商品、自社ブランドの販売を開始できます。

デメリットとしては売上が増えて様々な施策を導入したいとなった時に、本格的な機能はなかなか実装できない点です。
シンプルな機能だけで良いという場合はBASEだけでも十分ですが、それだけでは満足できない方はShopifyに移行するという流れが多い印象です。(私もその一人です)

独自ドメイン

WEB関連の話にもなりますが、自社ECを運営するなら独自ドメインの設定がオススメです。
独自ドメインとはインターネット上での固有の住所です。外部カートシステムを使うと初期設定として必ず自分で決められる英数字に加えてカートシステムのドメインが付きます。

例えばShopifyの場合は「〇〇.myshopify.com」という感じです。
もちろんこのドメインでも販売可能ですし、全ての機能が使えるので直接的な支障は何もありません。
しかし本格的にブランディングしていくうえでブランド名にプラス「shopify」といったカートシステムのドメインが入ると「世界観」が損なわれることはあります。

理想としては「ブランド名.jp」といったドメインの方が分かりやすいです。
そこで独自ドメインを取得して設定します。

お名前ドットコム

こうした独自ドメインを取得するのに利用したいサービスがお名前ドットコムです。
もはや私が説明するまでもないくらい有名なドメイン販売管理会社です。

ShopifyではShopify経由で独自ドメインを取得することも可能です。Shopifyに限らずプラットフォーム経由で独自ドメインを取得するサービスを提供しているところも珍しくないですが、私としてはお名前ドットコムでの取得をお勧めします。

理由はサービスとの切り離しが出来るからです。
例えば、Shopify経由で取得した独自ドメインはShopifyでしか使えません。Shopifyでしか使わないと決めたうえで取得するなら良いですが、ビジネスをしていると何が起こるか分かりません。
例えば、「ブランド名.jp」というドメインをShopifyで使ったとして、その後に「WordPressに移行してEC機能無しのブランドサイトにしたい」という場合にお名前ドットコムで取得していれば移行が出来ます。

あるいは事業や会社そのものを売却するといった場合に独自ドメインをお名前ドットコムで取得していれば売却先がフレキシブルに利用できるので評価が上がる可能性もあります。

要は最初から「Shopifyだけで使う」と決め込まずに、お名前ドットコムで取得していればもし動かしたい場合に対応できるということです。独自ドメインはコロコロ変わるものではありませんが、お名前ドットコムでの取得からShopifyへの反映はそこまで難しい作業では無いので、先々のことを考えても分けておくことをお勧めします。

アクセス解析

ECサイトやWEBサイトの強みはアクセス解析できることです。
最近では実店舗でも顧客の動きをカメラが追って解析することも出来るようになりつつありますが、まだまだハードルがあります。

ECサイト、WEBサイトはアクセスしたユーザーの行動を追うことが出来るので、その解析結果をもとに様々な施策を検討することが可能です。

Googleアナリティクス

GoogleアナリティクスはGoogleが無料で提供するアクセス解析ツールです。
Googleアカウントがあれば利用でき、多くのWEBサイトやECサイトで導入されています。
先に紹介したShopify、BASEともに導入可能です。

Googleアナリティクスは無償提供にも関わらずサイトの隅から隅まで細かく分析できるのが強みです。
WEB初心者の方には慣れるまでに少し時間がかかるかもしれませんが、使いこなせるようになると、これほど心強い解析ツールはありません。

きちんと設定さえされていれば、解析できないことは無いといっても過言では無いくらい素晴らしいツールです。

Lucky Orange

Lucky Orangeは海外サードパーティー製の解析ツールです。
WEBサイトはもちろん、ECサイトでも利用できますが、中でもShopifyとの連携が秀逸です。具体的にはShopifyアプリからLucky Orangeを導入できます。

このLucky OrangeはShopifyファンの間でも「神アプリ」と言われている鉄板Shopifyアプリ(解析ツール)です。
理由の1つはアクセスしたユーザーの行動を録画してそのまま見ることが出来る点です。実際にユーザーが画面を動かしたり、タップやクリックした場所や回数、閲覧時間などが全てモニタリングされているのです!

初めてこれを知った時、衝撃と共に鳥肌が立ちました(笑)

このモニタリング機能だけでも凄いですが、加えてヒートマップ機能もあります。ヒートマップ機能とはユーザーがよく閲覧したりタップ、クリックされている箇所を赤く表示し、あまり見られていないところはマークが付かないといったサーモグラフィ画像のような分析が出来ます。

ヒートマップツールはいくつかありますが、Lucky Orangeは先ほどのモニタリング機能も含めて月額数千円程度で利用できます。Shopifyを運営しているなら必ず入れたほうがいい解析ツールです。

Facebookピクセル

後程ご紹介するFacebook広告に関連しますが、Facebookピクセルも優秀な分析ツールです。
厳密には私たちがアクセス数などを見て分析するためのツールというより、Facebookに学習させるために必要な解析機能と言えます。

FacebookピクセルをShopifyなど自社サイトに埋め込むだけで、アクセスしてきたユーザーの行動や属性などを分析していきます。Facebookピクセルを立ち上げ当初から埋め込んでおき、サイトのアクセス数が増えれば増えるほどユーザー解析の精度が向上します。

こうしたFacebookピクセルが蓄積した情報を後程紹介するFacebook広告に活用することで、過去の蓄積が広告配信のターゲティングに活かされていくのです。まさしくサイトと一緒に成長させる重要な解析ツールです。

Facebook広告を運用するなら必ずFacebookピクセルの設定も行なってください。

WEB広告

ShopifyやBASEを立ち上げたとして、何もしなければアクセスは集まりません。
必ず集客が必要です。この集客の違いこそECモールと自社ECの最大の違いとも言えます。
ECモールは集客力があるので何もせずともある程度の集客は見込めます。一方で自社ECは余程のことが無い限り集客しなければアクセスはありません。アクセスが無ければ当然売上も立ちません。

そんな自社EC集客に必須なのがWEB広告です。

Facebook広告

Facebookが提供するFacebook広告はその名の通りFacebook内に広告を出稿(配信)できるサービス。
Facebook以外にもInstagramや外部提携サイトにも出稿ができます。

Facebook広告の強みは主に広告費の融通が利くこと、分析の精度、そして細かいターゲティングです。
広告費に関しては極端な話、自由です。
日予算または期間を決めて通算予算を設定できますが、それこそ1日500円とか、1週間で1万円など自由に設定できます。
もちろん、予算は少ないより多い方が露出も増えますし分析の精度は上がります。

Facebook広告の強みである分析の精度を活かすためには分析する元となるデータが必要なので、そのデータを蓄積させてFacebookの独自AIが学習する機会が増えれば増えるほど精度も上がるというイメージです。

とはいえ、何百万円といった莫大な予算が必要なわけでは無いので新興ブランド、D2Cブランドやスタートアップ企業にも使いやすい広告です。

Google広告

こちらもメジャーなWEB広告なので詳細は割愛しますが、Googleが提供するGoogle広告も使いやすいです。
Google広告はGoogle検索エンジンやGoogleアドセンスを設置するサイトに広告出稿できるので、Facebook広告とはまた違った露出が可能になります。

そのため、ある程度の広告予算があればFacebook広告とGoogle広告を併用して運用するのが現実的です。

在庫管理・出荷

ECサイトを運営するからには多くの場合、販売する商品があります。
その商品は無在庫販売(ドロッピングシッピング)を除けば必ず在庫を持つことになります。そしてECサイトから注文が来たらお客様に出荷する作業が必要です。

こうした在庫管理や出荷作業はECサイト運営において必須ですが、意外と疎かにされやすい業務でもあります。
規模が小さいうちは自分で対応したり、スタッフに任せても良いですが、販売数が増えたり、在庫のSKU数が増えてくると徐々に煩雑となります。

一方、もし在庫管理にミスがあると、例えば在庫が無いのに在庫有りになっていて注文が来てしまったり、あるいはその逆で機会損失があったり・・・
出荷作業はもっと深刻で、万が一住所の間違いや送るものを間違えてしまったら確実にクレームとなります。

こうしたミスはしないに越したことはありませんが、人間ですのでミスは起こり得ます。社内で専任スタッフを抱えていれば良いですが、そこまで出来る会社は一部なのが現実。他の業務も抱えているスタッフや自分が対応するとなれば注意散漫となり、ミスが起こるという悪循環は十分に起こり得ることです。

このようなミスの防止もそうですし、何より在庫管理や出荷作業を外部委託することで自分やスタッフをもっと他の重要な業務にリソースを割くことが出来ます。

偉そうに書いていますが、そんな私自身も実は2020年に入ってようやく在庫管理・出荷作業を外部委託して自動化する仕組みにしました。私が実際に利用しているサービスを紹介します。

シッピーノ

シッピーノとはシッピーノ株式会社が提供する連携サービスです。
具体的にはShopifyなどのECカートシステムと連携することで注文を自動的に取り込み、在庫を保管している倉庫に連携して出荷指示をします。

そのためシッピーノ単体ではなく、必ず連携先となる倉庫との提携が必要になります。
倉庫と言っても実際にはAmazonのFBAとも連携できるので、FBA納品している商品をAmazon販売しながらShopifyでも販売するといった展開が可能です。ECモールなら他に楽天ロジにも対応しています。

ロジモプロ

ロジモプロは在庫管理・出荷作業を代行するサービスです。株式会社清長が提供・運営しています。
前述したFBA納品などモールにではなく、独自に在庫管理と出荷を依頼したい場合に利用します。

私もいま展開しているブランドは商品(在庫)をロジモプロに預けており、シッピーノと連携してShopifyから来た注文を自動的にロジモプロから発送する、というシステムを採用しています。

これで在庫管理・出荷作業は完全に手離れしますので、企画立案、広告運用、SNS運営といった販売に直結する重要な業務に集中できます。こうしたShopifyのブログが書けているのもShopify・シッピーノ・ロジモプロの連携を利用しているからといっても過言ではありません!

まとめ

自社ECサイト運営にあたっては今回紹介しなかったSNSアカウント、ブランド公式サイト(オウンドメディア)など戦略次第で必要なサービス、ツールもあります。

そういったサービスやツールも必要に応じて構築・運営することでより多角的なブランディングが可能になりますが、いずれにしても今回ご紹介したWEBサービスやWEBツールは必須と言っても過言ではありません。

まずはここでご紹介したサービスやツールを導入いただき、その上で更に必要なツールやサービスを追求して頂くのがオススメです。

とはいえ、サービスやツールはあくまでもブランドを支えるための手段でしかありません。
ブランド、つまり商品そのものが真ん中に来ることが重要です。言い換えれば商品力、商品への熱意や愛着とも言えます。
これがなければ、いくら周りのサービスやツールを固めても売り上げを上げることは出来ません。

この点は私自身も肝に銘じてブランド運営やECサイト運営をしています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です