呉 達人
Shopify新規構築をはじめ、自社EC・Amazon・楽天市場・クラウドファンディングを活用した総合的なEC運営支援に取り組んでいます。
Shopify(ショッピファイ)でECサイトを運営する場合に多くのマーチャント(運営者)が利用する決済手段ShopifyPayment(ペイメント)。
VISA、MASTER、AMEX、JCBといった主要なクレジットカードブランドで決済ができるようになるので重宝します。
そんなShopifyペイメントは2022年6月16日から決済手数料の一部改訂があるとShopifyから通知されました。
結論から申し上げますと、AmazonPayやPaidyといった外部決済に関しては手数料が加算されることになります。
そこで今回はShopifyペイメントと外部決済の決済手数料について解説していきます。
目次
Shopifyペイメントとは?
Shopifyペイメントはその名の通りShopifyが提供する決済システム。
ShopifyでECサイトを運営するストアであれば、基本情報の入力および申請だけですぐに使用開始できる点が大きな強みです。
特に日本国内で決済システムを導入する場合、申請手続きや審査などで時間がかかります。
たとえストアの準備ができていても決済できなければ機能しないため、そのためにストアオープンが遅れてしまう…なんてケースもあり得ます。
ShopifyならShopifyペイメント自体はすぐに使用開始できるためスムーズにストアオープンが可能です。
使用できる決済方法は主要クレジットカードブランド(VISA/MASTER/AMEX)をはじめ、JCBも追加申請後に使用可能。
他にもShopPay、ApplePay、GooglePayがShopifyペイメントによって利用可能です。
Shopifyペイメントの決済手数料
Shopifyペイメントで決済された注文の手数料はストアのShopify利用プランと使用されるカードの種類によって異なります。
カード種類/プラン | ベーシック | スタンダード | プレミアム |
---|---|---|---|
VISA/MASTER(日本) | 3.4% + 0円 | 3.3% + 0円 | 3.25% + 0円 |
海外/AMEX | 3.9% + 0円 | 3.85% + 0円 | 3.8% + 0円 |
JCB | 4.15% + 0円 | 4.1% + 0円 | 4.05% + 0円 |
外部決済 | +2.0% | +1.0% | +0.5% |
※2022年5月18日時点
日本で発行されたVISA/MASTERが最も低く、海外発行やAMEX、JCBはそれより少し高い手数料となります。
また少ないとは思いますが、Shopifyでストア運営してるけどShopifyペイメントは使わず外部決済のみ導入している場合、外部決済での手数料に加えて最後の行の手数料がそれぞれ発生します。
従来の外部決済手数料
今回のShopifyペイメント手数料改定前、現時点での外部決済手数料は前述の通りShopifyペイメントを使わない場合に限り発生していました。
つまりShopifyペイメントを使っており、同時にAmazonPayやPaidyなどを使う場合は追加手数料は発生せず、各外部決済ごとに課せられる手数料のみで利用可能となっていました。
2022年6月16日以降の決済手数料
恐らく皆さん一斉配信されていると思いますが、当社では2022年5月15日に以下の通知がShopifyから届いていました。
あなたの地域で2022年6月16日より実施される価格変更についてご連絡差し上げました。
これまで、一部の国でのPayPal取引については、外部サービス取引手数料が適用されていましたが、 6月16日をもって全世界を対象にこれを撤廃することになりました。
また、外部決済サービス取引にはこれまでShopifyペイメントと併せて利用する場合、外部サービス取引手数料は請求されていませんでしたが、2022年6月16日以降、PayPalを除く、Shopify ペイメント以外の外部決済サービスの取引に価格ページおよび利用規約に記載されている取引手数料が適用されます。 過去の取引に対する手数料が徴収されることはなく、同変更実施日まで引き続き手数料は発生しません。外部サービス取引手数料の詳細については、 ヘルプセンターをご覧ください。
つまり、ShopifyペイメントとPayPalを除く外部決済に関して、いままで発生していなかった外部決済向けの決済手数料が発生することになります。
パーセンテージは前述の通りベーシックなら2%、スタンダードなら1%、プレミアムなら0.5%が通常の決済手数料に加えて発生します。
ストア状況の確認・対応
いままでShopifyに関連したネガティブな話題はほとんど無いように思いますが、今回はネガティブな話題と言えるでしょう。
とはいえ決まりは決まりなので従うしかありません。
何か対応すべきかどうか、ストアの状況を確認する必要があります。
決済方法の割合
Shopifyのレポート機能を確認することで、現在どの決済方法が多く使われているのか、その金額を確認できます。
確認方法はカンタン。
Shopify管理画面のストア分析からレポートを開き、「財務」項目にある「決済」というリンクを開けば使用された決済方法の件数と金額(売上)が確認できます。
期間が自由に選択できるので、これまでの全期間でいいかと思います。
ここからShopifyペイメントとそれ以外の外部決済の割合や金額を算出して、プラン変更時の月額使用料の差額と比較することで検討できます。
なお、このレポート機能はベーシックプランから利用可能です。
そのままかプラン変更か
具体的な対応策としては、そのままにするか、プラン変更するかの二択になるでしょう。
特に最も月額使用料が安いベーシックプランの場合、単純に外部決済に対して2%が加算されることになります。
売上の規模が大きくなればなるほど2%は大きな数字。
もちろん外部決済の割合が多いストアの場合、にはなりますが、これを機にスタンダードプランなどにアップグレードするきっかけにしてもいいでしょう。
スタンダードプランにするメリットは追加できるスタッフアカウント数が増えるのと、レポート機能で閲覧できる項目が増える点です。
特にレポート機能はベーシックプランより多くの項目が閲覧可能。
具体的には下記項目が重宝します。
- 商品別の売上
- 商品バリエーションSKU別の売上
- トラフィックの参照元別の売上
- チャネル別売上
- オンラインストアカート分析
- マーケティングに起因する売上
まとめ
様々な進化を続けてきたShopifyですが、一部では株価の低迷や成長率の鈍化などネガティブな報道も見受けられます。
そういった背景もあってか、今回のShopifyペイメント手数料改定はShopifyペイメントの囲い込みとShopifyプランのアップグレードを促すものではないかと、個人的には推測しています。
とはいえ、円安傾向にある現在でもスタンダードプランは月額10,000円以下で利用可能です。
むしろベーシックプランで多くの機能が利用できること自体が凄いことであり、今回の手数料改定は致し方ないことと飲み込むのが妥当かと考えています。
もちろん、そもそも外部決済を利用していないストアは対象外です。
外部決済を利用していても、割合が少なければそのままでも特に問題ないでしょう。
現状の決済方法の割合とプラン使用料の差額を計算してみて、どのプランがいいのか、あるいはそのままで問題ないのか、検討してみてはいかがでしょうか。
Shopifyとしては珍しくネガティブな話題になりましたが、プラン変更のきっかけにするなどポジティブに捉えていくのがオススメです。
この手数料の書き方だと、利用者が勘違いします。
外部決済は+2.0%別途かかる。
との表記が望ましいと思います。
ご指摘いただきありがとうございます。
確かにそうかもしれません。
表に+を追加して文章にも追加で発生する点を強調しました。
ありがとうございました。