呉 達人
Shopify新規構築をはじめ、自社EC・Amazon・楽天市場・クラウドファンディングを活用した総合的なEC運営支援に取り組んでいます。
シリーズ『これだけでも月額29ドル以上の価値あるShopify(ショッピファイ)』第二弾は決済システムの設定についてです。
オンラインストアには決済システムが必須です。
厳密には言えばオンラインでの決済を通さず、代引き決済あるいは現地払いのみにするといった方法も可能は可能です。
とはいえ、多くのマーチャント(販売者)にとってオンラインストアを運営するメリットの1つがオンライン上で決済(支払い)が完結することであり、それは顧客にとっても同様です。
ここ最近では実店舗でもキャッシュレス決済が進んでいます。更に新型コロナウイルスの影響で実店舗での買い物が制約される状況となり、益々オンラインストアやクレジットカードをはじめとしたキャッシュレス決済(衛生的に現金を触れないといったことも含め)の需要が高まっています。
こうした幅広い決済システムの普及、利用増加は双方にとって利便性が高まる一方、マーチャントにとって決済システムを用意することが一つのハードルにもなります。
そこで今回は従来の決済システム(ECカートシステム)導入の流れとShopifyにおける導入の流れを比較して、Shopifyのベーシックプラン(月額29ドル)の価値について解説していきます。
目次
従来の決済システム2つの苦労
一般的に自社でECサイトを構築する場合、ECカートシステムと呼ばれるEC専用のシステムを導入することになります。
主な役割は商品登録管理、顧客管理、カート機能、決済機能といったオンラインストア独自の機能です。
この中でも決済機能、特にクレジットカード決済に関してはセキュリティの高い決済システムを持っている会社と契約するのが一般的でした。
最近ではShopify以外にもBASEやSTORESといった安価で簡単に利用できるカートシステムも普及してきました。
とはいえ、本格的なECサイトを構築するのであればベースのシステムに加えて決済システムは別で契約して繋ぎこむのが主流。
それはそれで仕方ないですが、実際に弊社もマーチャントとして運営する中で感じた2つの苦労がありました。
契約に時間が掛かる
決済システムを利用するためにはサービスを提供する会社、いわゆる決済代行会社との契約が必要になります。
契約の際には必ず審査が入ります。融資の審査ほど厳しくはありませんが、それでもお客様の決済(支払い)を扱うことになるので提出すべき書類や情報もそれなりにあります。
主要なカードブランドであるVISA/MASTER辺りなら良いですが、例えばAMEX、JCB、DINERSなど幅広いブランドにも対応する場合には更に追加審査や追加で提出する資料が必要など、とにかく契約に時間が掛かります。
当然ですが決済システムの契約が完了して決済できる状態にならなければストアはオープンできません。レジの使えないお店ではアウトです。
最近では徐々に改善されているのかもしれませんが、まだまだ日本の古き商習慣でもある書類のやり取りがあるだけで時間はどうしてもかかってしまいます。
実装に技術的な知識が必要
審査が下りてもすぐにストアへ反映されるわけではありません。
ストアに実装するためのIDやパスといった連携に必要な情報が渡され、それをストアに組み込み、テストして初めてオープンできます。
実際に利用するサービスによって異なりますが、中にはとても素人では対応できない、専門的な技術が必要なケースも珍しくありません。
こうした背景から、たとえシンプルなオンラインストアであっても決済システムを導入するためのシステム構築費といった名目で高額な費用を請求されるケースも無くはないのが事実です。
私たちは分からないことに対して「見当もつかない」ことがあります。
果たして提示された金額が高いのか安いのか、技術的な知識が必要ということは、こうしたITリテラシーが試されることにもなります。
Shopifyの決済システムは導入が簡単
Shopifyで利用できる決済システムは豊富です。
クレジットカードや現金払い(コンビニ払い・銀行振込)をはじめAmazon Pay、PayPalといった外部サービスとも連携できます。
クレジットカード決済はVISA/MASTER/AMEXの主要3ブランドであればShopifyが提供するShopifyペイメントが利用可能です。
このShopifyペイメントの導入が驚くほど簡単で、ストアの基本情報(会社名や入金先口座など)を登録すれば、すぐに利用できます。
導入に関して書類の提出や審査(保留)期間はありません。
厳密には実際にストアがオープンした後、しばらくしてShopifyから会社情報(登記簿謄本など)の提出を求められる場合はあります。
その際は速やかに対応すれば問題なく、その期間も決済システムは利用できます。
そもそもShopifyでの販売が禁止されている商材を扱ったストア(アカウント)は決済保留や没収なども措置があり得ます。一般常識の範囲ですが、詳しくはShopifyペイメント利用規約を参照ください。
また、マーチャント側でAmazon PayやPayPalのアカウントを保持していれば数ステップの操作で簡単に連携でき、お客様が利用できるようになります。
具体的な方法は別の記事で書いていますので参考にしてみてください。
決済システム導入に負担が掛からない
自社ECサイト(オンラインストア)で重要なことは商品の魅力を伝えることや、ブランドとしてのストーリーを伝えることです。
ただ値段だけを比較して一番安いものを買うのであればAmazonや楽天市場のようなモールで十分です。
そうではなく、独自のコンテンツやオリジナリティ、あるいは顧客との関係性など自社ECならではの強みがあるからこそ、自社ECサイトの構築や運営に踏み切るものです。
決済システム自体はマーチャントと顧客を繋ぐ手段です。
お客様に自社商品やブランドを知って頂くためのマーケティング活動、広報活動や実際に注文が来た後の物流フローなど準備すべき要素はたくさんあります。
こうした工程の中で決済システム導入における負担が従来はそれなりに大きかったように感じます。
Shopifyであれば事業規模を問わず、月額29ドルのベーシックプランから豊富な決済システムが導入できます。
私も実際にマーチャントとしてShopifyでストア構築、運営を始めた際にとても感動したのが決済システム導入のハードルの低さです。
個人的な話で恐縮ですが、実は一度、過去に他のECカートシステムを使ってストア運営をしていた際、Amazon Payの導入で苦戦したことがありました。私自身エンジニアではないため専門的な知識は分かりませんし、更にセキュリティ面も重要な決済システムは扱いが難しく、結局諦めたことがありました。
Amazon Payのアカウント作成自体は簡単です。
しかし、それを実際に導入することが出来ないという苦い経験がありました。
そんな経験もあってShopifyを使ってみると、あまりにもあっさり導入出来たことを今でも覚えています。
「本当にこれで大丈夫なのか?」と不安になるくらいでした(笑)
つまりAmazon Payのアカウントさえ持っていれば、月額29ドルのベーシックプランでAmazon Payも利用可能。それはつまりAmazonの顧客をも自社ECのお客様になってもらうチャンスが広がることを意味します。
そして前回書いた非常に強固なセキュリティ環境が決済システムの安全性を担保してくれます。
もちろん、こうした機能はすべて月額29ドルから利用可能です。
次回はSNSを活用した販売方法についてまとめていきます。