呉 達人
Shopify新規構築をはじめ、自社EC・Amazon・楽天市場・クラウドファンディングを活用した総合的なEC運営支援に取り組んでいます。
今回はクラウドファンディングで成功するための秘訣をより具体的にまとめていきます。
弊社はこれまでに自社で10回以上クラウドファンディングを経験しています。
また多くのお付き合いがある事業者、経営者様の中で特に成功を収めている方々の話もよく耳にしています。
こうした多くの経験やノウハウから、クラウドファンディング成功の秘訣は3つあると考えています。
これらは決して特別なことではありません。
結論から申し上げると、以下の3つだと考えています。
- 条件
- 準備
- 熱意
それぞれについて詳しくアウトプットしていきます。
目次
クラウドファンディング成功の定義
まず今回のテーマを深掘りする前に、何をもってクラウドファンディングの成功と定義するかを考えてみましょう。
もちろん、プロジェクトの位置づけによって様々であり正解はありません。
そこで弊社が過去に経験したことや多くの事業者、経営者の方々からヒアリングしたことを中心にまとめていきます。
目標金額を達成する
まず一番分かりやすいのが目標金額の達成と言えるでしょう。
クラウドファンディングでは自由に目標金額を設定できます。
また、プラットフォームによっては「ストレッチゴール」と呼ばれる複数のゴール(=目標)を設定して、それに応じたリターンの追加も可能です。
目標金額は少なければ少ないほど達成しやすく、支援総額と同時に記載される達成率も高くなりやすいです。
一方、目標金額が高ければ達成のハードルも上がりますが、本当にその金額を達成しなければリスクがある、あるいは会社や組織として動けない場合は致し方ありません。
後ほど記載しますが、仕入れや製造ロットなど現実的な条件面も重要な判断材料になります。
間違っても適当に決めず、しっかりと意図をもって目標金額を設定して達成することがクラウドファンディングの成功と言えるでしょう。
1日でも早く目標達成する
より一層、先ほどの目標金額達成という成功の質を高めるなら1日でも早く目標金額を達成することも重要です。
結果的に数千万円、あるいは億単位まで到達するビッグプロジェクトの多くはプロジェクト開始から数時間で目標金額を達成している傾向にあります。
こうした成功の秘訣は「準備」で口述しますが、少しでも早く目標金額を達成することができればクラウドファンディングの成功の1つと言えるでしょう。
今後のブランド展開においても「数時間で目標達成しました」という実績は確実に残りますので、今後の成功にもつながります。
内部的に設定した支援額(数)を超える
クラウドファンディングの目標金額や達成率は分かりやすく数字で表示されます。
こうした表向きの数字も大事ですが、どの起案者にとっても内部的に持っている数字があるのではないでしょうか。
表に出すわけではないけど社内的に「このくらいまでは集めたい」といった目標設定も重要です。
こうした内部的に設定した目標を達成することもクラウドファンディングの成功と言えるのではないでしょうか。
利益を確実に確保すること
クラウドファンディングの役割は起案者ごとに異なります。
クラウドファンディングの段階では利益を求めずブランディング、認知拡大に努め、後々の一般販売で利益を確保する戦略が一般的です。
一方、クラウドファンディングの段階でもしっかりと利益を確保することができれば、その後のステップにも進みやすくなるのは事実。
ここで重要なのが後述する「条件」です。
クラウドファンディングの売上で利益が確保できれば、その後の一般販売や販促に資金を投下することが可能。
特に立ち上げ資金が乏しい起案者にとっては死活問題でもあり、重要な成功の指標と言えます。
成功の秘訣1:条件
では、実際にクラウドファンディングを成功させるための秘訣を考えていきましょう。
まず1つ目は条件です。
具体的な条件はいくつかありますが、いずれもハッキリと数字で表現できるものや商品そのものを指します。詳しく説明していきます。
最小ロット・コスト(原価率)
商品を仕入れ、あるいは製造する際には必ず最小ロットや製造コストが発生します。
商品の特性や単価にもよりますが、なるべく最小ロットあるいは製造(仕入)コストは少ない・低い方がリスクが抑えられ、結果として成功する可能性は高くなります。
極論、最小ロットが1個であれば、ほぼリスクはありません。
利益率・利益計算
前述の内容と関連して、製造(仕入)コストが低ければ低いほど利益率が大きくなります。
一般的に1つの商品を販売する労力やコストに大きな違いはないと言われています。
安いから売りやすい、高いから売れにくいという単純な話ではありません。
欲しい人に対して適切に届ければ高くても売れますし、いくら安くても欲しい人がいなければ売れません。
そもそも高い・安いを判断するのは欲しい人であり、必要としていない人を相手にする必要もないのです。
そういった意味で、利益率が高ければ1つ販売するのに効率よく利益を確保できます。
結果として広告・広報・ブランディングあるいは製品のバージョンアップなど多くの選択肢に対して資金を投下できるようになります。
この辺りは事業を立ち上げ、クラウドファンディングをする前の段階、つまり企画や構想段階である程度把握できるはずです。
ここを間違えて薄利での設計でスタートしてしまうとクラウドファンディングは愚か、その後の展開も厳しくなってしまいます。
品質の担保
一般的にどのような製造においてもロットが多ければ多いほど品質は向上します。
たくさんの商品を製造したほうが品質の良し悪しの統計がとれ、品質が安定するからです。
前述の最小ロットが低い方がいいという条件と相反するようですが、ロットは少なく、それでいて品質は担保されているのが理想です。
物凄くワガママを言っていますが、ここを理想として折り合いをつけていくのが理想ということです。
そういった意味で、他社に委託して仕入れする場合は、その製造元が製造したい商品に対してどの程度の経験やノウハウがあるのかは重要です。
いくら最小ロットが少なく、原価率が低くても不良品ばかりでは本末転倒です。
最小ロットや原価は抑える。
厳密には無理のない範囲で工夫する。
そして品質も保つ。
言葉にすると簡単ですが、この3つの条件をいかにバランスよく揃えることができるか、その難しさも良く知っています。
だからこそ、もしこの3つが整っているのであればクラウドファンディングの成功、もっといえばブランドとして成功する可能性はグッと上がるといえます。
成功の秘訣2:準備
クラウドファンディングの成功には事前準備が欠かせません。
「条件」で記載した内容は重要ですが、仮にそれらが整ったとしても実際にクラウドファンディングを始めるまでの入念な準備こそ成功を左右します。
むしろ100%理想的な条件を整えるのは中々難しく、どこかしらで妥協せざるを得ないのが現実的なところ。
しかし、多少の課題があったとしても、準備次第でクラウドファンディングを成功に導くことが出来ます。
プロジェクト開始前から始まっている
クラウドファンディングのプロジェクトは開始日がスタートではありません。
言い換えれば「クラウドファンディングを起案しよう」と決定した時点からがスタートです。
クラウドファンディングのプロジェクトページ(ランディングページ)を制作するのはもちろんですが、それ以外に自社のコントロール下でティザーサイトなどを用意するのがオススメです。
ティザーサイトとは「事前告知」といった意味のサイトで、ShopifyやWordPress、あるいはペライチといった外部サービスなどを使って制作できます。
このページに対してWEB広告を配信したり、ポップアップやイベント、展示会などオフラインでもQRコードなどを使って集客させます。
ティザーサイトの役割はリスト獲得。
LINE@やメルマガなどリストが獲得できる受け皿を用意しておき、クラウドファンディングの直前に告知することでスタートダッシュを決めることができます。
人が集まる企画や仕掛けをする
前述の事前準備と同様、クラウドファンディングのプロジェクトページに人が集まる仕掛けが必要です。
即効性があるのはWEB広告。
自社で運用してもいいですし、広告運用が得意なプラットフォームならお任せしてもいいでしょう。
その他にも自社の顧客に対してメールマガジンやLINEを配信したり、プラットフォームの集客媒体を活用させてもらったり、ユーチューバーやインフルエンサーに紹介してもらうなど方法はたくさんあります。
商材によって相性の良し悪しはありますが、こうした人が集まる仕掛けや企画を準備することがクラウドファンディングの成功に繋がります。
この辺りの選択肢をどこまで広げることができるか、それは予算や資金にもよります。
ただ費用が掛かることばかりではなく、限りなく低予算でできる施策もたくさんあります。
オウンドメディアはフル活用
ここで言うオウンドメディアとは、会社であれば自社サイトやSNSアカウント、個人であれば自分自身のブログやSNSなどです。
もちろんブランドとしてのアカウントでもいいでしょう。
こうしたオウンドメディアはとにかく早く立ち上げ、地道に継続することが重要です。
WEB広告などのような即効性はありませんが、クラウドファンディングの期間中など長い目で見て活用できます。
またコスト的には人的なリソースを除けば低予算あるいは無料で実施できる施策でもあります。
成功の秘訣3:熱意
いよいよ最後の1つ。
それは熱意です。
これまで挙げてきた「条件」と「準備」は極端な話、誰でも出来ることです。
しかし、熱意だけはブランドオーナーあるいは起案者自身にだけ宿る唯一無二のもの。
クラウドファンディングを起案した根底にある想いとも言えます。
なぜ、その商品またはブランドでクラウドファンディングを起案したのか?
熱意は目に見えません。
しかし、熱意があれば自然と行動量は増え、条件面の整備や準備に余念がなくなるでしょう。
抽象的なことですが、成功しているクラウドファンディング、ひいてはブランドはすべからく熱意を持ってオーナーやメンバーが取り組んでいる印象が強いです。
クラウドファンディング成功の秘訣まとめ
クラウドファンディング成功の秘訣と書きましたが、結局はブランドそのもの、あるいは商品そのものを中長期的に育て成長させていくために必要な要素だったかもしれません。
それがクラウドファンディングというフェーズで成功につながれば、その後の展開がより一層しやすくなるでしょう。
言葉で書くのは簡単ですが、実際に行動するのは大変な苦労もあります。
弊社としても何かお手伝いできることがあれば光栄です。
クラウドファンディングを活用して夢や理想を実現していきましょう!