ご時世から考えるオンラインストアのこれから

あえて固有名詞は使いませんが、このご時世で世界的に大きな影響が発生しています。
特に実店舗(オフライン)は外出自粛要請が長引く可能性が濃厚で更なる打撃になりそうです。

しかし、だからと言って「オンラインなら大丈夫」とも言えない状況です。
いま問題となっているのは感染してしまった場合の体調不良など肉体的な問題。そして物理的に見えないウイルス、収束の兆しが見えないことへの精神的な不安感が深刻です。インターネットで拡散されるデマにも敏感になってしまい、結果として誤った行動(トイレットペーパー買い占め等)も起こってしまいました。

確かにオンラインストアはモールであれ自社ECであれオンライン上で決済が済み、あとは届くのを待つだけです。外出して実店舗に行くよりもリスクは大幅に減らすことが出来ます。

それはオンラインストアという物理的な手段の話であって、本質はもっと広い視野で見るべきであると考えています。
私自身も今回の件でオンラインストアに対する見方、考え方が変わりました。今日はその辺りをアウトプットします。

仕事が減り所得が減り消費が減る

これだけ社会的に影響が出ている以上、特定の一部分だけを見るわけにはいきません。
例えばトイレットペーパー、ティッシュ、洗剤、飲み物などの日用品や消耗品を買おうと思った場合、実店舗に行かなくてもオンラインストアで事足ります。普段からオンラインストアを利用されているという方もいらっしゃるでしょう。

そう言った意味で、いわゆる「生活必需品」を販売するオンラインストアにとって今回の影響はむしろ追い風になります。
今までは何となく面倒だなと感じて利用を控えていた人たちも今回ばかりは「オンラインで」となるでしょう。

一方、オンラインストアにはそれ以外の商品を扱うストアが数多く存在します。弊社が運営するストアも「生活必需品」とは言えません。「あったら良いけど無くても困らない」商品が実は物凄く多いのではないでしょうか。

これだけ人々の行動が制限されてしまうと仕事が無くなってしまう、激減してしまう業種も少なくありません。すでに観光・旅行業界は深刻的。そこに関連する会社がどれだけあるか。私たちの世の中は想像以上に数え切れないほどの会社が関わっています。

観光・旅行業界が厳しければ、例えば観光地へ人々を運ぶバスやタクシー業界も厳しくなり、地元の飲食店、商業施設なども影響が及びます。お店が潰れてしまったら、賃貸の場合は建物所有者に賃料が入らなくなります。

これ以上は辞めておきますが、要するに仕事が減るということは、そこで働く人たちの所得に関わることであり、生活に関わることであり、そして消費が消極的になれば他の業種・業界にも影響が及びます。

また、今回は中国発となってしまったことで中国経済が止まりました。「世界の工場」と呼ばれる中国で生産が進まない、部品が届かないといった商品・ブランドも多かったことでしょう。正確な数値は分かりませんが、特に部品がたくさん必要な電化製品などは中国の影響が大きいです。

決して他人事ではなかったということで、発生当初からもっと警戒感を強めておくべきだったと痛感しています。

明暗が分かれる贅沢品

生活必需品の逆、先ほども書いた「あったら良いけど無くても困らない」のがいわゆる贅沢品です。
贅沢品もピンからキリまであります。中でも今の時流やニーズを考えると、まず第一に「自宅で使うもの」は追い風です。

室内で出来る〇〇系の商品は、まさにこの外出自粛要請されている日本国内で需要が高まっています
室内筋トレアイテム、室内ゲーム、キッチンアイテムなどなど。

もちろん、その中でも選ばれるブランドや商品は今回の影響前からブランディングや販促に力を入れています。今回の件でワンチャン的に掴んだものではないと認識していますが、それも含めてビジネス。それこそ数年前に流行った「ビリーズブートキャンプ」が再び流行っているそうです。これはビリーズブートキャンプが一時期流行ったことで「知っている人」やDVDを持っていて棚にしまっていた人たちの需要を再喚起したと言えます。

一方で旅行用品、アウトドア用品、屋外スポーツ用品などは逆風。その他にも日常生活にとって優先度の低い贅沢品は厳しい状況です。政府の言葉を借りるなら「不要不急」に該当する商品や業界。

私たちの生活にとって、いかに不要不急が大事であったかも痛感しました。もちろん人それぞれ趣味嗜好は違いますので、もともとインドア派の方にとっては影響ないでしょう。逆にアウトドア派の方にとっては耐え難い状況かもしれません。

それらも含めて考えていくと、単純にオンラインストアだから良い、ECだから良いという判断はできません。
オンラインストアがあったとしても明暗は分かれるところです。

EC市場には追い風だが

とはいえ、不謹慎かもしれませんがEC市場全体にとって今回の一件が追い風であることは言うまでもありません。
リモートワーク関連も同様ですが、これまで以上にインターネットサービスが活発的に利用されることが予想されます。
奇しくも日本国内で5Gの運用も始まったタイミングです。まだまだ通信状況は限られていますが、通信の高速化、低遅延は私たちの生活を大きく変化させるでしょう。

もともと日本国内のEC市場は右肩上がりに増えてきています。それが更に後押しを受けることで今後ますますEC市場は期待できます。

その一方で、繰り返しになりますが「何でもかんでもECなら良い」というわけでもありません
それは実際にオンラインストアを運営する私たちだからこそ実感している部分でもあります。
傍から見れば「ECやっておけばいい」という風潮もありますが、「中身による」というところです。

外出制限や自粛ムードがあるからこそ、改めてオフラインの良さや必要性を感じている方も多いはずです。

だからこそ軽率にEC一択とは言えません。しかしECが伸びるのも間違いない。
結局のところ、本当に必要なのは商品力やブランドの魅力であり、EC・オンラインストアはその手段に過ぎないということではないでしょうか。

日本国内、あるいは世界的にもまだまだEC市場、オンラインストア店舗数は伸びていくことが予想されます。
私たちもオンラインストアの立ち上げや運営支援という形で貢献したいと考えています。

その一方で、今回の影響を受けてしっかりと本質を考え、ブレずにビジネスをしていきたいと感じました。

5G、IoT、AR、VRなど新しい技術も追い風です。
多くの選択肢がある中で、どの選択肢を選ぶことが最適解なのか、常に考えてご提案できるように研究を進めてまいります。

明日プレスリリースを発表します

明日から4月1日ということで世の中的には新年度となります。ちょうど新しいことが始まる期待感のあるタイミングでもありますが、そんな明日に弊社(合同会社FRONTIER TRADE)はプレスリリースを発表する予定です。

内容はShopifyに関する新規事業立ち上げについてです。

このご時世、私たちにできることは限られていますが、それでも何かお役に立てることがあればという一心です。
この気持ちを忘れずに明日からもShopifyの研究や実務にまい進します。明日のプレスリリースは配信完了後にこちらのブログにも転載します。

どうぞよろしくお願いします。

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