Shopifyアプリを入れ過ぎてはいけない理由6選

呉 達人

こんにちは。長野県佐久市のShopify Experts認定企業・合同会社FRONTIER TRADE代表の呉(くれ)です。
Shopify新規構築をはじめ、自社EC・Amazon・楽天市場・クラウドファンディングを活用した総合的なEC運営支援に取り組んでいます。

Shopify(ショッピファイ)でストア運営する上で欠かせないのがShopifyアプリ(追加機能)です。

まだ日本向けにローカライズされていない機能や日本特有の商慣習を網羅した機能が足りていない部分もありますが、基本的には「できないことはない」と言っても過言ではくらい様々なアプリが提供されています

魅力的な機能が月額数千円程度で利用できるのはShopifyが注目を集めている理由の1つと言えます。

基本的にはメリットが大きいShopifyアプリですが、必ずしも良いことばかりではないのも事実です。

特にShopifyアプリの入れ過ぎには要注意・デメリットとなり得ます

そこで今回はShopify Expertsである私たちがこれまでに培った経験を踏まえ、Shopifyアプリを入れ過ぎてはいけない理由を6つまとめてみました。これはShopifyアプリのデメリットとも言えます。

是非これからオンラインストア運営をShopifyでやりたいとお考えの方はもちろん、すでに運営している方はストアのアプリ一覧をチェックしてみてください。

なお、ここで紹介する順番に優劣はありません。どれも同じくらい重要な要素としてお考え下さい。

理由1:表示速度が遅くなる

まず最初にShopifyアプリを入れ過ぎてはいけない理由の1つがストアの表示速度が遅くなることです。

厳密には入れるアプリの種類によっても変わりますが、基本的にShopifyアプリを追加すると様々なプログラムのコードがストアに追加されます。
Shopifyに限らず一般的なWEBサイトもそうですが、コードが増えれば増えるほど読み込むのに時間が掛かるため、結果としてページの表示速度が遅くなります。

読み込みのスピードはコードだけでなく画像のファイルサイズなども影響しますが、できれば少ないに越したことはありません
もちろん必要なアプリは躊躇せず入れるべきですが、Shopifyアプリを入れ過ぎた結果ストアの表示が遅くなってしまい、かえって成約率が下がってしまう可能性は十分に可能性として考えられます。

最近ではShopifyのテーマ管理でストアの「速度スコア」が計測・表示されるようにもなりました。
これを参考にして、アプリを追加していっても速度スコアに影響がないかどうかチェックしてみてください。

理由2:テーマで満たせる機能にコストが発生

Shopifyでストアを新規構築するにあたって最初に検討するのがShopifyテーマ、つまりデザインテンプレートです。

基本的にShopifyテーマはレスポンシブデザインに対応しており、細かい違いはありますが見た目のデザインという意味で言えば大まかな区分けができます。
極端な話、違うテーマでも全く同じ画像・テキストを同じように作っていけば同じようなストアを作ることができるのです。

では何が重要か、その最大の違いとも言えるのがShopifyテーマに最初から実装されている機能です。

Shopifyテーマはデザインテンプレートという要素が強いですが、意外と機能面でも侮れません。

例えば商品のバリエーションを表示するのに、プルダウンではなくボタンで横展開されているテーマもあります。
もし最初からボタン式がよければ、ボタン式になっているテーマを選べば利用可能です。
有料テーマだったとしても一度購入すればその後の費用は掛かりません。

もちろん、この機能をShopifyアプリで実装することもできますが、Shopifyアプリの多くは月額数ドル~数十ドルの費用が発生します。
この機能だけでコストの比較はできませんが、長い目で見れば最初から実装されている機能を使うのがベターだということはおわかりいただけるでしょう。

また、最初からテーマに実装されている機能を使ったほうがいい理由は他にもあり、それは後の理由で説明します。

理由3:バッティングする可能性

先ほども書いたように、Shopifyアプリの追加は極端に言うとプログラムコードの追加を意味します。

基本的にどのShopifyアプリもShopifyで問題なく動作することは検証されていますが、他のShopifyアプリ同士の互換性は担保されていません
それもそのはず、それぞれShopifyアプリの種類や開発会社が違えば作り方も違いますので、互換性の担保しようもありません。

強いて言えば同じ会社から出ているアプリであれば、そのアプリ同士でバッティングする可能性は低いですが、それ以外のアプリで言えば「Aアプリの後にBアプリを入れたらAアプリが使えなくなった」という可能性は十分に起こり得ます。

具体事例
ストア全体のフォントを一括変更できる「Fontify」と支払い方法のロゴマークを表示させる「Trust Hero」は一緒に使えません。同時に使うと「Trust Hero」のロゴが正しく表示されない場合があります。どちらも無料アプリなので使い勝手はいいですが、残念ながら共存不可です。(記事公開時点)

もし、多くのストアで使われているアプリ同士で不具合が起きることが分かれば情報が多く出回るのでキャッチしやすいですが、まだ新しいShopifyアプリや、あまり使われていないShopifyアプリの場合、バッティングするかどうかは使ってみないと分からないというリスキーな状況になります。

そういった意味でたくさんアプリを入れた結果、いつの間にか以前動作していたアプリが動作しなくなっていた、というケースは起こり得ますので注意が必要です。

理由4:表示が崩れる可能性

バッティングする可能性と似ていますが、特にストアの表示に関わるShopifyアプリの場合、表示が崩れてしまう可能性があります。

例えば先ほども書いたバリエーション選択の見せ方。
もとのShopifyテーマがプルダウンに対してアプリを使ってボタン式にした場合、商品詳細ページのレイアウトが崩れてしまう可能性があります。

であれば最初から実装されている機能を使うのが間違いない、というのはイメージ頂けるかと思います。

Shopifyアプリは大きく分けるとストアに表示され顧客に直接影響があるものと、そうではなく管理画面で分析に利用するといった表示に関係ないものとに分かれます。

表示に関わるShopifyアプリの場合、Shopifyテーマとの相性、あるいは先ほども書いたShopifyアプリ同士の相性によって不具合を起こす可能性があるので、入れ過ぎには注意したいところです。

今まで表示されていたのに、ある日突然表示されなくなった、といった不具合が起きた場合、新たに追加したShopifyアプリが無いかどうか確認してみてください。

理由5:消してもコードが残る可能性

これはかなり厄介でShopifyを扱うShopify Expertsやパートナー界隈でも課題となっていますが、Shopifyアプリを削除(アンインストール)してもストアにコードが残っている場合があります。

それが原因で別のアプリと干渉して不具合を起こす可能性があるため原因究明に時間が掛かります。

こればかりは実際に使ってみたり検証してみないと分からないのですが、少なくとも低評価のレビューが付いているアプリはインストール自体控えたほうが無難です。

Shopifyアプリは簡単にお試しができて、微妙だったら削除(アンインストール)できるのが魅力です。
それは間違いないのですが、既に低評価が付いていて使い勝手が悪いと分かっているようなShopifyアプリをわざわざ入れるリスクを負う必要は無いということです。

最悪の場合、ストアのデータを勝手に取得されてしまう可能性もあります。

少々話が飛躍しましたが、いずれにしてもShopifyアプリを入れ過ぎるデメリットの1つであることは間違いありません。

理由6:情報管理が煩雑になる可能性

先ほど「ストアのデータを勝手に取得されてしまう可能性」と言及しましたが、Shopifyアプリは種類によってストアと連携する情報、取得する情報が異なります。

例えば商品に関わるアプリであれば商品情報を取得して連携したり、顧客情報を取得してマーケティングを効率化するアプリもあります。

Shopifyアプリを入れ過ぎてしまうと情報管理がどこでどう行なわれているか分からなくなります
それこそ繰り返しになりますが、ストアに蓄積された顧客情報をアプリに渡した結果、悪用されてしまうリスクもゼロとは言い切れないのは事実です。

特にShopifyアプリは海外製が多いため、海外と日本とで法律が異なる場合も多々あります。
この辺りはShopifyの課題でありローカライズが期待される要素でもありますが、いずれにしても最低限できることは低評価のアプリやレビュー件数が少ないアプリはインストールしないことです。

またShopifyアプリは基本的に削除すれば情報連携が行なわれなくなりますので、使わないアプリは削除(アンインストール)するようにしましょう。

まとめ

今回はShopifyアプリに関してネガティブな側面、デメリットをメインにまとめました。

もちろんShopifyアプリの利用を否定するものではなく、むしろ積極的に活用していくべきです。

しかし、何事もそうですがメリットもあればデメリットもあります。
綺麗事ではなく、しっかりとこうしたデメリットや注意すべき点についても理解したうえで使用していきましょう。

少なくとも、何でもかんでもShopifyアプリで解決すればいいわけではないのが私たちの見解です。
むしろアプリではなくCSSで対応できたり、先ほども書いたようにテーマで対応できたり、あるいは「そもそもその機能が必要なのか?」といった熟考も必要です。
Shopifyアプリは手軽さゆえに「あの人気ストアで使ってるからうちも使おう!」となりがちです。フットワーク軽く試してみることを否定はしませんし、むしろ素晴らしいことですが、リスクやデメリットがあることもお分かりいただきたいという想いでこの記事を書きました。

非エンジニアのマーチャントさんが自力で運営するなら仕方ない部分もありますが、もし依頼しているShopifyパートナーが何でもかんでもShopifyアプリで解決しようと提案してくる場合は注意が必要です。

国内でも人気が高まりプレイヤーが増えているからこそ、デメリットにも目を向けながらShopifyアプリを使いこなしていきましょう!

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