呉 達人
Shopify新規構築をはじめ、自社EC・Amazon・楽天市場・クラウドファンディングを活用した総合的なEC運営支援に取り組んでいます。
オンラインストアで意外とメンテナンスされていないのがサンクスページです。
サンクスページとは購入者が注文を完了した後に表示される「注文完了画面」。
いわばオンラインストアにとって最も重要なアクションである購入(決済)が完了した証ですので、運営者としても「ほっと一安心」といった感覚になります。
もちろん、それはそれで良いのですが、サンクスページは購入者にとっても購入が完了したというワクワク感や高揚感を感じる瞬間でもあります。まさしくオンラインストアにおける最上級の体験こそ注文を完了させるアクションと言っても過言ではありません。
オンラインストアを利用する目的は様々です。
日用品のように感情が入りにくい商品の買い物は流れ作業的で無機質なものです。
一方で、前から欲しかったものや、ようやく発売された新商品など顧客の期待が高ければ高いほど、オンラインストアでの購入体験は実際に届くのと同じくらい重要なアクションです。(そもそも注文を完了しなければ商品も届きません。)
注文を完了した後に表示されるサンクスページは顧客にとって「財布のひもが緩んでいる可能性が高い状態」で閲覧するページと言えます。
実店舗で例えると、店内で欲しい商品をかごに入れ、レジで並んでいる時、レジの前や横にガムや飴など「ちょっとしたもの」が置いてあるのが多いことに気が付きませんか?
店舗によってレジ前やレジ横に並ぶ商品は様々ですが、レジに行く=商品の購入が決定している状況です。
言い換えれば「確実にお財布を出す場所」ですので、その際に「ついでにこれも買っておこう」というついで買いをした経験がある方もいらっしゃるでしょう。
まさにこの「ついで買い」がオンラインストア、EC業界で言われるアップセルやクロスセルです。
アップセルは「より高いものを買ってもらうこと」の意味で、クロスセルは「他の商品などを併せて購入してもらうこと」を意味します。どちらも顧客の購入単価(客単価)を上げるためのマーケティング施策です。
こうした施策を実施するにはサンクスページの編集が必要です。
サンクスページは購入システムと絡むページですので、そう簡単に振れることは出来ません。
しかし、ShopifyであればShopify(ショッピファイ)アプリを使うことでサンクスページの編集が可能です。
前置きが長くなりましたが、今回はサンクスページを編集してアップセル・クロスセルを実装するためのShopifyアプリ『ReConvert post purchase upsell』を見ていきたいと思います。
目次
ReConvert post purchase upsellとは?
ReConvert post purchase upsellはサンクスページ(注文完了画面)を編集してアップセル・クロスセル施策を実装できるShopifyアプリです。
アプリのレビューを見て分かる通り、記事公開時点で900件近いレビュー投稿がありながら星5つという驚異的な高評価です。
ここまでレビュー投稿数がありながら高評価を維持しているShopifyアプリは珍しく、これだけでも多くのストアオーナーが満足して利用していることが分かります。
では具体的にどんな機能があるのかを見ていきましょう。
サンクスページの編集
前述の通りサンクスページの編集に特化したShopifyアプリです。
アプリをインストールするとサンクスページの編集ができるテンプレート画面にアクセスできます。
Shopifyデフォルトのサンクスページはお客様へのお礼文章と共に注文内容、お届け先、追跡番号が記載してある程度です。
こうした情報は必須なので編集することは出来ませんが、それらに加えて下記内容を追加することが出来ます。
- おすすめ商品掲載
- コレクションリスト掲載
- 任意の画像
- 任意のテキスト
- 任意の動画(埋め込み)
- SNSシェア導線
- 購入後のアンケート
- 特定ページへ誘導するボタン
- 割引クーポンによる再購入訴求
- カウントダウンタイマー付きポップアップ割引
予め登録されている商品情報はもちろん、購入後限定で使える割引クーポンやSNSへ誘導する導線、あるいはアンケートなど一般的なページと同じような感覚で追加・編集が可能です。(編集はShopifyテーマ編集のようなドラッグアンドドロップ操作が可能)
「使い方動画」や「ブランドオーナーによるお礼動画」など動画を活用した顧客との接触を実施しているブランドも多々あります。
アップセルやクロスセルと相性が良いのはメイン商品に関連する付属品がオススメです。
冒頭で例えた実店舗での「レジ横商品」もそうですが、安価で気軽に買える商品やメイン商品と一緒に使う付属品や補助商品であれば購入の同機になりやすいので効果的ですし、宣伝色も薄いのでブランド価値を下げることはありません。
一方、いくら購入後だからと言ってこれ見よがしに割引クーポンを発行したり、メイン商品よりも高価な商品を出し過ぎると宣伝色が強くなるので注意は必要です。
無理に他の商品を売り込むのではなく、先ほど書いたように動画で感謝の気持ちを伝えたり、アンケートに誘導して購入者の声を拾うといった施策でも十分なマーケティング施策となります。
アップセル・クロスセル分析
実際にReConvert post purchase upsellで作成したサンクスページから購入があった場合、何がいくら売れたのか分析も可能です。
しかも分析できる項目がROI(投資利益率)、サンクスページの表示回数、サンクスページのCVR(コンバージョンレート)、アンケート回答数などサンクスページに特化した詳しい分析が出来ます。
ただ機能を実装できるだけでなく、こうした実装した後の分析機能も充実しているのが高評価を獲得している要因かもしれませんね。
ReConvert post purchase upsellを導入するだけでもストアのPDCAサイクルが回せるようになります。
注文数による従量制
これだけサンクスページに特化した機能が充実していながら、アプリの使用料金はなんと無料から利用できます。
月に50件までの注文であれば無料プランで利用可能なのです!
この注文数はアプリ経由ではなく、ストア全体の注文数です。
つまり月に50件以下の規模であれば無料で利用可能です。
それ以降はストアの月間注文数に応じた従量課金制となります。内訳は下記の通りです。
- 無料:ストア月間注文数50件まで
- 月額7.99ドル:ストア月間注文数100件まで
- 月額14.99ドル:ストア月間注文数200件まで
- 月額29.99ドル:ストア月間注文数500件まで
商品単価やストアの運営フェーズによって注文数は異なりますが、もし商品単価が高くて注文数はそこまで多くないストアであればあるほど費用対効果は良いのではないでしょうか。
注文数以外の制限が無いのも魅力的です。
まとめ
アプリの管理画面はインストール時は英語ですが、日本語に変換もできます。やや日本語がぎこちないところもありますが、英語のみよりは多少使いやすいでしょう。言語以外の使い勝手は問題なく、サンクスページの編集も前述の通り感覚的に出来ます。
アップセルやクロスセルが出来れば顧客単価が上がりますので、売上に貢献することは言うまでもありません。
また、その場でアップセルやクロスセルをしなくても、アンケート回答や動画視聴によるブランディングによって顧客との関係性を濃くしていくことが出来ます。中長期的なブランディング、ストア運営において顧客との接触を増やすことは重要です。将来的な売上アップや新商品の訴求にも繋がるでしょう。
こうした機能を兼ね備えて注文数50件以下まで無料で使るのはお得です。
それ以上の注文数になっても良心的な料金設定と言えますので、冒頭に書いたような高評価を維持しているのも納得できます。
アップセル・クロスセルなどサンクスページを充実させたいShopifyストアオーナーにオススメのShopifyアプリです!
ご紹介したShopifyアプリの価格や機能、レビュー状況は記事公開時の情報です。サービス自体の有無も含めて時間が経過すると変化します。最新情報はShopifyアプリストアの各アプリページをご確認ください。