呉 達人
Shopify新規構築をはじめ、自社EC・Amazon・楽天市場・クラウドファンディングを活用した総合的なEC運営支援に取り組んでいます。
Shopify(ショッピファイ)には標準機能として「カート落ち対策」機能が実装されています。
カート落ちとはストアにアクセスした顧客が商品をカートに追加した後、決済をせずにそのままストアを離脱してしまうことです。
つまりストアには「カートに商品が残っている」という情報が残ることになります。
この「カート落ち」した状況を無駄にせず、「カートに商品が残っていますよ」というお知らせをしてくれる機能がShopifyの標準機能で実装されているカート落ち対策のフォローアップメール機能です。
もちろん、まずはこの標準機能を活用するだけでも売り上げに好影響を及ぼしますが、より一層こだわりたい、カスタマイズしたい場合にはShopifyアプリの活用がオススメです。
そこで今回はカート落ちをフォローアップするShopifyアプリ『Abandoned Cart Recovery』をご紹介します。
目次
Abandoned Cart Recoveryとは?
Abandoned Cart Recoveryはカート落ちした顧客にフォローアップメールを送信できるShopifyアプリです。
その他にも売り上げに繋がりそうな機能があるので後述します。
400件以上のレビューに対して4.7の評価が付いているので高評価のShopifyアプリと言えるでしょう。
具体的にどのような機能が使えるのかみていきましょう。
カート落ちフォローアップのメール送信
管理画面はShopify管理画面とは別ウインドウで表示されますので作業がしやすくなっています。
また各機能がヘッダーメニューとHOME画面にそれぞれ表示されているのも分かりやすい設計です。
カート落ちした顧客に対するフォローアップメール送信は「Abandoned Cart Emails」です。
最初に表示される「Insight」を見ると、これまでにカート落ちした顧客の情報がリスト表示されます。
それぞれ「メールを送信したかどうか」と「メール経由で購入されたかどうか」のステータスを確認することができます。
これで実際に設定したリカバーメールが機能しているのかどうかを検証できます。
また、上の部分にも赤く囲いましたが『Abandoned Cart Recovery』のフォローアップメールは3通まで自動設定可能です。
Shopifyの標準機能では1通のみですが、このアプリを使えば最大3通までステップメールのような形でフォローアップできます。
「Recover Email1」から設定していきます。3通送りたい場合は「3」まで設定し、1通でよければ「1」だけ設定します。
メール本文はブログエディタのような操作感で簡単にHTMLメールを設定できます。
また「何時間後に送信するか」といった設定や、メール本文で使えるテンプレートの設定、もしクーポンを付けたい場合はShopify管理画面で作成したクーポンコードを連携できるなど細かい設定も可能です。
Googleパラメータの設定もできるので、フォローアップ経由で購入されたアクセスはGoogleアナリティクスなどで分析することができます。
離脱前にポップアップ表示
「Exit Intent Pop-up」ではストアを離脱しそうなユーザーに対してポップアップを表示する設定ができます。
具体的には「いますぐ使えるクーポン」などを表示させ「その場で購入したほうがお得ですよ」といった演出に活用できます。
実店舗でも店員さんが店頭でクーポン券を配っていることがあるのを見たことがありませんか?
それと同じようなイメージです。
設定はいたって簡単で、表示させる条件やクーポンコード、文言やストアロゴを設定するだけです。
クーポンでの割引率はあまりお得にし過ぎると定価の価値が下がってしまうので抑えたほうが無難ですが、無いよりはあったほうが購入の動機になる方もいらっしゃるかもしれません。「カートに何円以上入っている場合」という条件設定もできるので商品がまとめて残ってしまっている方に表示させるといった施策も可能ですね。
デバイス間カート保持
例えば自宅にいてもスマホで見る場合とパソコンやタブレットで見る場合など、現代では複数の端末を使いこなす方が珍しくありません。
こうしたデバイスごとの情報も保持しておくことができます。
具体的には、例えばスマホでストアにアクセスしてカートに追加した状態のまま、同じIPアドレスなどでパソコンでもアクセスすればカートに追加された状態になっています。
これでスムーズな買い物をフォローすることが可能です。
Facebook Messengerリマインダー
カート落ちをメールで自動通報するのと同じような機能で、Messengerへのリマインダー機能も利用できます。
月額29ドルのProプランのみ利用可能
ストアやブランドがターゲットとする顧客層にもよりますが、Messengerで通知したほうが目に留まる可能性が高い顧客層であれば是非活用したい機能ですね。
設定も管理画面に沿って行えば簡単に実装できます。
まとめ
カート落ちはアクセスが増えれば増えるほど増える傾向にあります。
また、ストアで販売している商品単価が安ければ安いほど、顧客は「お気に入り」感覚でカートに追加する行動を取る傾向もあります。
総じてカート落ちは40~50%は発生すると言われています。
こうしたカート落ちを100%フォローすることはできませんが、1人でも多くの顧客をフォローアップできれば売上に直結するのは間違いありません。
新規顧客に対するアプローチも重要ですが、まずはストアにアクセスしてくれて、更にカートに追加するアクションまで取ってくれた顧客に対するフォローアップをした方が売り上げの底上げ、コンバージョン率の向上につながる可能性は高いと言えます。
そういった意味でも売上貢献度は高いShopifyアプリと言えます。
料金プランもこれだけの機能でProプランでも月額3,000円程度であれば良心的ではないでしょうか。
また、英語ではありますが使いやすい管理画面となっていますので設定に苦労することも少ないかと思います。
アクセス数が増えてきてカート落ちも増えてきたストアは是非導入してみてはいかがでしょうか。
ご紹介したShopifyアプリの価格や機能、レビュー状況は記事公開時の情報です。サービス自体の有無も含めて時間が経過すると変化します。最新情報はShopifyアプリストアの各アプリページをご確認ください。