呉 達人
Shopify新規構築をはじめ、自社EC・Amazon・楽天市場・クラウドファンディングを活用した総合的なEC運営支援に取り組んでいます。
Shopify(ショッピファイ)はSaaS型プラットフォームとしてサービスが提供されています。
SaaSとは「Software as a Service」の略語で「サース」と読みます。
従来はパッケージ製品として提供されていたソフトウェアを、インターネット経由でサービスとして提供・利用する形態です。
つまり何らかのソフトウェアを購入してインストールしたりする必要はなく、インターネットさえ繋がっていればオンライン上でサービスが完結する仕組みとも言えます。
ShopifyはECサイトを構築・運営できるシステムを提供するプラットフォームです。
サーバーは複数に分散されて管理されているため、私たち利用者はShopifyの月額利用料だけを支払えば利用できます。それは同時に自分たちでサーバーを用意して保守管理しなくて済むことを意味します。
以前の記事でもご紹介したように、Shopifyは大量のアクセスや注文を処理できる高性能な環境を提供しています。
基本的には安心して利用できるサービスであることに間違いはありませんが、それでも100%不具合が発生しないわけではありません。
というより、システムである以上、何らかの不具合が発生する可能性を秘めているのは当然のことです。
その可能性がとても低く、安定稼働できる可能性が高いのは魅力的ですが、どうしても何らかの不具合は避けて通れないもの。
そこで今回はShopifyを利用していて不具合かも?といった現象が起きたときにチェックしたい「Shopifyステータス」についてご紹介します。
目次
Shopifyステータスとは?
まず前提として、先ほども書いたようにShopifyでは不具合が発生することは稀です。
特にECサイトにとって運命の分かれ道とも言える、一度に大量のアクセスが来て大量の注文を処理する、という大きな負荷に耐えられるのは大きな強みです。
Shopifyではこうした決済処理をこなせる環境なのはもちろん、例えば管理画面へのアクセス、ストアを表示するためのシステム、API連携して他のサービスとの繋ぎこみをするシステムなど様々なシステムが稼働してサービスを提供しています。
もし何らかの不具合が発生した場合、不具合の中でも「どのシステムに不具合が起きているのか」を確認できるのがShopifyステータスです。
下記URLからアクセスできます。
https://www.shopifystatus.com/
アクセスいただくとお分かりいただけますが、下記のようにサービスの種類ごとのステータスが表示されており、確認できます。
Shopifyの管理画面にログインできない
例えば、突然Shopifyの管理画面にログインできない状態になったとしましょう。
何らかの不具合で管理画面にログインできない場合、Shopifyステータスを確認すると「Admin」が正常稼働のチェックマークではなく「部分的な停止」もしくは「停止」のマークが表示されるはずです。
その他にも、例えばレポートや管理画面のダッシュボードに不具合が起きると「Reports and Dashboards」が、サードパーティー製のサービスなら「Third party services」といった形で、どのサービスに影響が発生しているのか、すぐに分かります。
こうしたステータスをすぐにチェックすることで、私たちのようなShopifyパートナーであればお客様に原因を説明することができますし、マーチャントさんご自身でも原因を確認することができます。
そのため、普段と違って何らかおかしいな?と感じたら、まずはShopifyステータスをチェックしてみましょう。
100%回避することは出来ない
先ほども書いたように不具合(バグ)を100%回避することはできません。
また、万が一Shopifyステータスで不具合が確認できたとしても、残念ながら私たちにはどうすることもできません。
Shopifyのスタッフが復旧作業を進めてくれるのを待つことしかできません。
これは冒頭で書いたSaaS型サービスのデメリットと言えばデメリットです。
どうしてもリスクを回避したければ自社でサーバーを抱え、自社で保守管理するしかありません。
とはいえ、それでも不具合を回避することは出来ないでしょう。
Shopifyは一番安いプランで月額29ドルから利用できます。
一番安いからといって提供される環境に違いがあるわけではありません。
29ドルでも299ドルでもサーバーやセキュリティの環境は同一です。
これほどの環境を月に数千円から利用できると考えれば、不具合が発生するリスクよりも売り上げがUPするメリット、恩恵を受けられる方に軍配が上がるのではないでしょうか。
こんな不具合はストア側が原因かも
今回ご紹介したShopifyステータスは、あくまでもShopifyが提供する共通のサービスに関しての内容です。
実際にストアを運営していると不具合はつきものですが、Shopifyとして共通なのか、あるいはストア単独の事象なのか分かれるケースがあります。
例えば下記のような不具合であれば、Shopifyそのものではなくストア単独、あるいはアプリ単体の原因が考えられます。
- 今まで表示されてたパーツが突然消えてしまった
- コードを編集したら表示が崩れてしまった
- ある特定のアプリだけ動作しない
- 新しいアプリを入れたら従来動作していたアプリが動作しなくなった
特にShopifyアプリのバッティングには要注意です。
Shopifyアプリは様々な機能や表現を簡単に実装できるので重宝します。
一方、それぞれのアプリ同士に互換性があるかどうかの検証までは行われていません。
例えば同じ会社が提供しているアプリ同士であれば、まだ可能性は低いかもしれませんが、提供会社が異なればお互いのアプリを同時に使用した場合の動作保証はされていないのです。
そのため、あまりにShopifyアプリをたくさんインストールしてしまうとアプリ同士がバッティングして不具合を起こしてしまったり、いずれかのアプリが動作しなくなってしまう、といったことは割とよくあり得る事象です。
また、アプリの導入と近しい話ですがコードを直接編集する場合も注意が必要です。
ShopifyではLiquidという言語が利用されていますが、不慣れな方はコードを触るのは辞めましょう。
間違って消してしまったり、場所を変えるだけでも不具合の原因となります。
アプリによってはコードを直接編集したり、追加しないと動作しないアプリもあります。
設定方法が丁寧に記載されていればいいですが、自信がなければShopifyパートナーに依頼するのがオススメです。
不具合の原因がShopify共通であればShopifyステータスを確認してみましょう。