呉 達人
Shopify新規構築をはじめ、自社EC・Amazon・楽天市場・クラウドファンディングを活用した総合的なEC運営支援に取り組んでいます。
シリーズ『これだけでも月額29ドル以上の価値あるShopify(ショッピファイ)』は今回が第5弾となります!
これまでの4回分の内容だけでも十分に月額29ドル(ベーシックプラン)以上の価値があると感じていただけるのではないかと思っていますが、まだまだお伝えしていきます!
今回はストア分析に欠かせないレポート機能についてです。
Shopifyでストア分析をする方法は大きく分けて3つあります。
1つ目はサイト分析の定番ツールGoogleアナリティクスの導入。
2つ目はShopifyアプリの中から分析系アプリの導入。
そして3つ目はShopifyが提供しているデフォルトの分析・レポート機能です。
Shopifyのプランは3つに分かれますが、そのうち大きく異なるのがスタッフアカウント数の上限と、今回お伝えするレポート機能の精度です。
スタンダードプラン(月額79ドル)とプレミアムプラン(月額299ドル)では「プロフェッショナルレポート」と呼ばれる精度の高いレポートを利用できます。
ベーシックプラン(月額29ドル)では利用できませんが、そうは言っても標準のレポートが劣っているわけではありません。
そこで今回は月額29ドルのベーシックプランで利用できるストア分析、レポート機能について深掘りしていきます。
目次
ストア運営に欠かせないPDCAサイクル
Shopifyでオンラインストア運営する上で重要な要素の1つが、いわゆるPDCAサイクルを回すことです。
ご存知の通りPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返しながらストアの売り上げ最大化を図ります。
もちろん大前提として商品力があることは必要です。いくらPDCAサイクルを回して効果的な施策を試し続けても商品そのものに問題があれば売り上げは伸びません。
一方、商品力があって売り上げが上がり続けることはあっても、いずれ限界が訪れます。
PDCAサイクルを回すためにはPDCAの全てが揃う必要があります。
その中でも課題になりやすいのがCheck(評価)とAction(改善)です。
多くのマーチャントがPlan(計画)を策定してDo(実行)に移すまでは比較的できますが、「やって終わり」ということも珍しくありません。
それも仕方ない部分はあります。特に日々の注文処理や発送業務を自社で対応していると、ゆっくり分析したり改善策を考える時間が取れません。オンラインストア以外に実店舗もあれば尚更です。
とはいえ、せっかく日々ストアを運営しているのであれば定期的なCheck(評価)は必要です。
そしてCheck(評価)をするために必要不可欠なのが計測ツールです。
オンラインストアの強みはデータ分析、数値の見える化がしやすいことです。
せっかく日々アクセスがあるのであれば、集客状況や購入の経路を辿るためのデータを蓄積しておくことがマスト。
データさえ蓄積していれば、たとえ社内でリソースが割けなくても分析パートナーにデータの共有が出来ます。
そういった意味でも必ず計測して分析がいつでもできる体制を作っておきましょう。
ShopifyとGoogleアナリティクスの併用がオススメ
Shopifyの計測・分析機能は特に設定をしなくても自動的に使えます。
管理画面の「ストア分析」から指定した期間の売り上げ、セッション数、注文数、コンバージョン率などが分かります。
更にレポート機能を見れば時間帯別、商品別、決済方法別といった分析も可能です。
これだけでも基本的な指標を網羅しているので活用のし甲斐はありますが、お勧めの分析は更にGoogleアナリティクスも利用することです。
ShopifyならGoogleアナリティクスの設定も専用IDを入れればすぐに設定できます。ソースを開いてコードを入れる必要はありません。
では実際にShopifyとGoogleアナリティクスの計測・レポートを併用した場合の主な指標のポイントをご紹介します。
決済・カート周りはShopify分析
Shopifyで計測できる強みはカートの状況や決済完了が追えることです。
厳密にはGoogleアナリティクスでも「目標設定」で注文完了ページを、目標設定フローでカートページを指定することで分析は可能です。
とはいえ、Shopifyの方が断然見やすいので分析がしやすいです。
また、Googleアナリティクスでは「どの決済方法で注文したか」といった細かいことまでは分かりません。
ShopifyはECシステムですので決済周りの情報をきっちりと掴んでいます。
注文した人が最初にアクセスしたのはどこからか、何回目の訪問か。カート落ちした人はどんな傾向か、どの決済方法の売り上げが高いのか。
決済やカートを軸にした分析をするならShopifyのレポートを活用するのがオススメです。
集客・サイト内回遊はGoogleアナリティクス
GoogleアナリティクスはWEBサイト解析ツールです。
前述の通りURLの指定などで決済(コンバージョン)周りのEコマース分析も可能ですが、それよりもGoogleアナリティクスではストア自体のアクセス数や滞在時間、ユーザーの属性(地域、デバイスなど)、参照元、流入元といった指標を見るのにオススメです。
こうした要素はECサイトでもWEBサイトでも同じです。
例えばコンテンツ(ブログや固定ページ)がどのくらい閲覧されており、どこからアクセスしているのかといった一般的なサイト分析でも利用される分析指標です。
広告からの反応はどうか、自然検索から来ているのか、こうしたストアを俯瞰的に分析するのに適しているのがGoogleアナリティクスです。
売り上げをモチベーションに!
WEBサイトの場合、内容によっては計測・分析した後の改善策が本当に効果があったのか検証しづらい部分もあります。
例えば単価の高いリフォーム業務をWEBサイトから獲得しようと考えた場合、集客してから問い合わせが来て、最終的に商談して成約という流れがあるので、WEBサイトが果たす役割が見えづらいです。
一方、オンラインストアは売り上げ(注文)という分かりやすい形で結果が表れます。
文中にも書いたように商品力ありきにはなりますが、逆に言えば似たような類似品がある場合でも施策次第で差別化して売り上げを上げることは可能です。
こうしたPDCAサイクルを回した結果が売り上げに直結するのはモチベーションにもなります。
Shopifyが提供する計測・分析レポートだけでも十分活用できますし、Googleアナリティクスも無料で利用できます。
ベーシックプラン(月額29ドル)であっても充実した分析機能を活用して売り上げUPを目指していきましょう。
次回は最近リリースしたShopifyが提供するスマホアプリ「Shop」についてご紹介します。