呉 達人
Shopify新規構築をはじめ、自社EC・Amazon・楽天市場・クラウドファンディングを活用した総合的なEC運営支援に取り組んでいます。
2023年度のIT導入補助金は2023年3月28日(火)から交付申請の受付が開始となりました。
IT導入補助金はその名の通りIT関連のツールやソフトを導入するのに特化した、返済不要の補助金。
補助対象範囲がIT関連に絞られている一方、合致すれば一般的な補助金よりも補助率が高くなっています。
弊社が扱うShopify(ショッピファイ)を活用したECサイトの新規構築をはじめ、Shopify自体の使用料1年分(最大2年分)と弊社の継続サポートも補助対象(1年分)となっています。
そこで今回はIT導入補助金2023を利用してECサイト新規構築(Shopify導入)をする場合の全体の流れと注意点をまとめていきます。
より実務に即した内容にするためIT導入補助金とは?といった概要的な内容は割愛させていただきます。
目次
IT導入補助金を利用する全体の流れ
まずIT導入補助金を利用してShopifyでECサイト構築する際の全体の流れを整理します。
担当が弊社御社だと分かりづらいので弊社はFRTと表記します。
※IT導入補助金専用管理画面は以下「専用管理画面」と記載します
具体的なスケジュール感
IT導入補助金の交付申請から始まり、実際に入金されるまでトータルで少なくとも半年程度は見込んでおくのが現実的です。
交付決定してからのShopify新規構築を2ヵ月と見積もっても、それから請求書発行、お支払い、実績報告で早くても2週間前後は要するでしょう。
実績報告完了から1ヵ月程度での入金といわれています。
こうした日数を足していけば全体で半年前後かかることはお分かりいただけるでしょう。
IT導入補助金利用時の注意点
これまでの経験を通じて、IT導入補助金の利用には下記が注意点といえます。
- 開業・設立したばかりの個人法人は利用不可
- 経費総額は全額先払い
- Shopify使用料は弊社が2年分立て替え
- 既存ECのリニューアルは対象外
- HPにEC機能を追加は対象
開業・設立したばかりの個人法人は利用不可
必要書類として法人は登記簿謄本と法人税の納税証明書、個人事業主は確定申告書が必要になります。
法人設立あるいは個人事業主として開業したばかりの方は、過去の履歴である納税証明書や確定申告書がご用意できないかと思います。
IT導入補助金の公式ドキュメントのどこを探しても、また事務局に問い合わせしてもハッキリとは回答してくれないのですが、実質これらの書類が用意できない方は採択されないため、利用することができません。
ご注意ください。
経費総額は全額先払い
全体の流れでも記載した通り、ECサイト納品後、請求書の発行を経て一旦全額をお支払いいただきます。
その後に専用管理画面にて実績報告申請を行ない、受理されれば1ヵ月程度で指定口座に補助額分が振り込まれます。
いくら補助率が高くて実質的には安くShopify新規構築ができるとはいえ、先に全額分を支払う資金は確保いただく必要があります。
Shopify使用料は一括払い・消費税あり
Shopify使用料1年分(最大2年分)も補助対象に含める場合、まず先に弊社が1年(または2年分)を一括払いで立て替えます。
その後、弊社が発行する請求書にて構築費と併せてお支払いいただきます。
そのため、Shopify自体は月払いでも利用可能ですが、補助金を利用する場合は先に一括で支払いを行なった後に補助金が入金となります。
また、運営事業者さまが直接Shopifyを利用(契約)する場合、クレジットカード決済によるドル払いとなるため、消費税は発生しません。
一方で、補助金を利用する場合は弊社経由での利用(契約)となるため、Shopify利用料に消費税が発生します。
補助金を利用するためのルールとなっていますので、十分にご注意ください。
既存ECのリニューアルは対象外
すでに稼働しているECサイト(決済機能があるサイト)のリニューアルは対象外となります。
もしどうしてもIT導入補助金を利用したい場合はドメインを既存ECサイトとは別ので用意して構築する必要があります。
例えばBASEなど他のECカートシステムから移行する、なら可能ですが、いずれにしても既存ECサイトの独自ドメインは引き継げないので注意が必要です。
HPにEC機能を追加は対象
すでに稼働しているホームページにEC(決済)機能を追加するのは対象となります。
とはいえShopifyを利用する場合、そのような作り方は基本的にできないので、実質、新規構築となります。
ただしホームページとして使っていた独自ドメインは使用できますので、既存HPの独自ドメインをShopifyに移行することは可能です。
交付申請時に準備するもの
交付申請自体は専用管理画面から行ないますが、入力する際、事前に用意したほうがスムーズに進められるものがいくつかあります。
- 必要書類(法人・個人で別)
- GビズID
- SECURITY ACTION自己宣言
- 前期、前々期の主な財務情報
- 前期、前々期の主な従業員数
必要書類
法人は下記2点。
- 3ヵ月以内に発行した履歴事項全部証明書
- 直近分の法人税の納税証明書(その1またはその2)
※納税証明書は税目が法人税、発行元が税務署であること
個人事業主は下記3点。
- 運転免許証または運転経歴証明書または住民票
- 直近分の所得税の納税証明書(その1またはその2)
- 所得税確定申告書B
※確定申告書は税務署が受領した直近分
前述の通り、必要書類が用意できない法人個人の方は実質申請できません。
GビズID
行政サービスを利用するのによく使われているGビズID。
まだアカウント自体を取得していない方は事前に作成しておく必要があります。
SECURITY ACTION自己宣言
SECURITY ACTION自己宣言のIDも必要な要件となっています。
申請自体はウェブからでき、必要なIDは即日発行されますが、事前に用意してくとよいでしょう。
前期、前々期の主な財務情報
専用管理画面にて下記情報の入力が求められます。
- 売上高(前期、前々期※)
- 粗利益(前期)
- 営業利益(前期、前々期)
- 経常利益(前期)
- 減価償却費(前期)
- 資本金または準備金(前期、前々期)
※売上のみ前々期の一期前、つまり3期前も入力が求められます。
なお2期以上ない場合はその旨を申請できるので問題ありません。
前期、前々期の主な従業員数
同じく専用管理画面にて下記情報の入力が求められます。
事前に情報を用意しておくとよいでしょう。
※いずれも前期、前々期分
- 正規雇用数
- 契約社員数
- パート・アルバイト数
- 代表者・役員数
- 年間の平均労働時間
実績報告で用意するもの
Shopifyで構築したECサイトの納品(Shopifyプラン支払い・オーナー権限移行)とお支払いをもって完了となりますが、最後に実績報告が必要です。
きちんと申請した内容で事業が進んだかどうかを報告するため、主に下記情報の提出が求められます。
- ECサイトのキャプチャ
- 請求書
- 支払い証明
- 補助金入金先の口座
厳密には細かい要件がありますので実際に作業する際にフォローいたします。
弊社で対応できる・できないリスト
最後にIT導入補助金の対象範囲も含めて弊社が対応できること、できないことを一覧にまとめてみました。
弊社IT導入補助金で対応可能
- Shopifyを活用したECサイトの新規構築
- ホームページをShopifyでECサイトに作り変え
- Shopify使用料1年分(最大2年分)
- 保守サポート1年分
補助金関係なく、通常は構築後に運営のサポートやアドバイスをさせていただく継続サポートプランも提案しております。
IT導入補助金では「保守サポート」という項目で継続的なサポート料金も対象にすることができます。
弊社では月額1,3,5,10万円と金額ごとにサポート内容を分けており、その1年分を一括払いいただくと、その一部が補助金として適用されます。
弊社IT導入補助金で対応不可
- ハードウェア購入
- 既存ECサイトのリニューアル
- Shopify以外のECカートシステム導入
- EC以外のソフトウェア導入
大変恐れ入りますが、弊社ではハードウェア購入が対象になりません。
ハードウェア購入を検討されている方は対象となっているIT導入支援事業者経由で手続きいただく形になります。