呉 達人
Shopify新規構築をはじめ、自社EC・Amazon・楽天市場・クラウドファンディングを活用した総合的なEC運営支援に取り組んでいます。
Shopify(ショッピファイ)はECカートシステムとして認知されており、低コストでカスタマイズ性の高いネットショップを構築・運営できます。
ネットショップ運営で重要な要素の1つが集客。
お客様がショップに来てくれないと売上には繋がりません。
一口に集客といっても様々な方法があり、ショップの規模・フェーズ・予算・リソースなどの条件によってもアプローチが異なります。
中でも時間は掛かるが貴重な資産となるのがオウンドメディアの運営です。
オウンドメディアとは大きく分けて2つの意味があるといわれています。
広義では自社が所有するメディアそのもの。
例えばWEBサイト、ブログ、Facebookページ、Instagram、Twitterアカウントなど。
狭義では企業が運営するブログ(WEBサイト)やメールマガジンなど情報発信する媒体。
ここではオウンドメディアを後者の「企業が運営するブログ」と定義します。
オウンドメディアの運営で使用される代表的なツールといえばWordPress。
例えばWordPressでオウンドメディアを運営して集客し、そこからShopifyで作ったネットショップに誘導する、という方法は王道ともいえます。
すでにWordPressで構築・運営しているサイトなら良いですが、これから立ち上げる場合に2つのシステム(WordPressとShopify)を管理運営するのはどうしても手間がかかります。
そこで今回は「オウンドメディアとも相性抜群のShopify活用方法」と題して、Shopifyにてネットショップとオウンドメディアの運営を集約する方法や強み(メリット)を考えていきたいと思います。
目次
オウンドメディアとも相性抜群・Shopify活用方法
まず最初にオウンドメディアの運営をすると決めた場合、どのシステムを使用するかの検討が必要です。
今回はネットショップとオウンドメディアの両方があると仮定します。
また、どちらもまだ運営しておらず、これから立ち上げるとしましょう。
その場合にオススメなのがShopifyだけに集約する使用する方法です。
Shopifyのブログ機能(標準機能)
Shopifyにはブログ記事を執筆・公開・管理できる機能が標準機能として用意されています。
具体的には下記の操作設定が可能です。
- 記事タイトル
- 記事本文
- 本文の装飾
- 抜粋設定
- metaタイトル
- metaディスクリプション
- 記事URL
- 公開・非公開
- 公開日(公開予約)
- サムネイル
- 執筆者
- カテゴリー(ブログ専用)
- タグ(ブログ専用)
- テーマテンプレート選択
それぞれの機能に関する説明は割愛しますが、シンプルかつ必要最低限の機能が揃っている使いやすいブログエディターとなっています。
WordPressと比較した時の弱みは本文の装飾のしにくさでしょうか。
WordPressならプラグインを使ってオリジナルのタイトルタグや装飾などを設定することができ、ワンクリックで反映できます。
その点、Shopifyのブログ機能は見出し・太字・カラー・画像といった最低限のクイックボタンはありますが、細かいカスタマイズはできません。
(CSSを充てて見出しや本文の装飾をすることは可能です)
逆に、それ以外は一般的なブログエディターとそん色ありません。
個人的にはNOTEに比べれるとオリジナリティは出せるようになっていると感じます。
SEO対策・設定(標準機能)
先ほどリストアップしたブログ機能の中で地味に重要なのがmetaタイトル・metaディスクリプションの設定機能。
つまりSEO対策の機能も用意されています。
オウンドメディアにとってSEO対策は一丁目一番地ともいえる重要施策。
各記事のタイトル・ディスクリプションを丁寧に設定することで、狙ってキーワードを少しでも早く検索上位に持ってくる効果が見込めます。
また記事のURLも手動で設定可能。
どれも地味な施策ではありますが、記事数が増えれば増えるほど効果が大きくなります。
ブログに限らず商品、ページなどもURL設定が可能です。しかし様々なショップを見ると結構URLが設定されておらず、日本語のままになっている状態が見受けられます。勿体ないので英数字で設定しましょう。
ブログ向けShopifyテーマ
実際にShopifyでオウンドメディア運営もする場合、記事の読みやすさ、見やすさも重要になります。
Shopifyではショップ全体のデザインを「Shopifyテーマ」で設定できます。
もちろん主役はネットショップとしての機能なので、ブログデザインまで気が回らないということもあるでしょう。
基本的にShopifyテーマ自体が高品質に提供されているため、どのテーマでもおかしなことにはなりません。
ただShopify公式テーマ(無料テーマ)に関しては、正直なところブログまで手が回っていないのか、特に記事を回遊する機能が弱いと感じます。
記事の見出しや本文などはCSSで装飾できますが、例えば記事一覧、関連記事、カレンダーなどまで追加するのは重い対応です。
そこでネットショップはもちろん、ブログも見やすいShopifyテーマをいくつかご紹介します。
Maker(OS2.0)
今年発表された「Online Store2.0」に対応しているShopifyテーマ『Maker』。
記事本文の下に別記事へのリンク(サムネイル付き)を設置できる機能が実装されています。
Focal(OS2.0)
こちらも「Online Store2.0」に対応しているShopifyテーマ『Focal』。
ブログのトップページとしてアイキャッチ画像が設定できるほか、その下の記事一覧も見やすいレイアウトになっています。
記事本文の下に別記事へのリンク(サムネイル付き)を設置できる機能も実装されています。
Expanse(OS2.0)
こちらも「Online Store2.0」に対応しているShopifyテーマ『Expanse』。
2カラムレイアウトになっており、サイドカラムで人気の記事やタグでの絞り込み(ボタン)ができます。
ShopifyテーマのブログはPCでも1カラムレイアウトが多い傾向にあるため、サイドカラムがあるとブログとしては親しみやすいといえるのではないでしょうか。
Warehouse(OS2.0)
こちらも「Online Store2.0」に対応しているShopifyテーマ『Warehouse』。
Warehouseもブログでサイドカラムレイアウトとなっており、人気の記事などを表示できます。
先ほどのExpanseもそうですが、テーマ自体が割と商品数の多いモール・セレクトショップ向けテーマとなっていますので、商品数が多くコンテンツ量も豊富なショップにはオススメのShopifyテーマといえます。
オウンドメディアの強み
多くの企業にとってオウンドメディアを運営する目的は下記になろうかと思います。
- 認知拡大
- オーガニック集客強化
- 教育(ブランド理解)
- 権威(検索上位などの実績)
オウンドメディアが一定の集客数を確保できるようになれば利益に直結します。
つまり集客に掛かる広告費が減少し、売上が一定または増加すれば、残る利益が大きくなります。
特にオウンドメディアから集客した着地点がネットショップなら、そのままオンライン上で売上が発生、マネタイズに直結します。
一方、そのためには記事を執筆するためのリソース(人件費、時間、その他撮影費など)が必要です。
よく言われますが、オウンドメディアは一朝一夕にはできない施策。
時間をかけて投資しなければ成果が出ない、簡単なようで難しい施策とも言えます。
しかし、それでも時間とお金をかけてオウンドメディアを運営することで競合他社との大きな差別化になります。
特に、もし大手企業が着手していない商材や市場であれば、たとえ後発だったり規模が小さな会社でも対抗できるだけの威力を秘めています。
なぜなら、オウンドメディアで築いた地位や集客力は大手企業がいくらお金をかけても買えないからです。
それこそ会社そのものが買収されない限り、大手企業が後から勝つには時間がかかります。
言い換えれば、中小企業や個人規模のショップこそ、自社商品の魅力やストーリーを発信するのにオウンドメディアとSNSが適しているといえます。
こうしたコンテンツは真似できないもので、特に採算を優先する大手企業であればあるほど着手しづらい施策です。
オウンドメディアの運営は継続こそ命。
決して簡単ではありませんが、確固たる信念があれば難しいことでもありません。
ぜひ、これからネットショップとオウンドメディアを立ち上げる場合はShopifyに一本化して運営してみてはいかがでしょうか。