Shopifyペイメントの利用規約を徹底分析!概要・できること・できないこと

呉 達人

こんにちは。長野県佐久市のShopify Experts認定企業・合同会社FRONTIER TRADE代表の呉(くれ)です。
Shopify新規構築をはじめ、自社EC・Amazon・楽天市場・クラウドファンディングを活用した総合的なEC運営支援に取り組んでいます。

すでに様々な記事で登場しているShopifyペイメント(Shopify Payments)。
Shopify(ショッピファイ)でオンラインストアを運営する際に全てのマーチャントが利用できる決済システムです。

私が感じるShopifyペイメントの強みは「速い・簡単・豊富」の3点。
それぞれ導入までのスピードが速く、操作や設定が簡単で、決済方法の種類が豊富ということです。

しかし、今回はShopifyペイメントの強みやメリットそのものではありません。
今回フォーカスしたいのはShopifyペイメントの利用規約についてです。

使いやすく重宝するShopifyペイメントですが、当然のことながら利用規約が設けられています。
大半のマーチャントであれば細かく気にする必要はありませんが、取り扱う商品(商材)や提供するサービスの内容次第で注意すべきこともあります。
また、当然ですが禁止されていること(=できないこと)もあります。

今回はShopifyペイメントの利用規約を徹底分析して、できること・できないことをまとめていきたいと思います。

Shopifyペイメント利用規約

Shopifyペイメントの利用規約の全文をチェックできるページがこちらです。
https://www.shopify.jp/legal/terms-payments-jp

以前は日本語にローカライズされておらず英語だったので大変でしたが、現在は日本語で用意されています。

契約・適用法律・裁判所

冒頭にも記載されていますが、契約対象は私たちShopifyペイメント利用者(マーチャント)とアイルランドの非公開有限責任株式会社Shopify International Limitedとの契約になるそうです。

つまり日本国内同士での契約ではありません

万が一、何かトラブルがあった場合に利用される法律はシンガポールの法律となり、裁判はシンガポールの正当な管轄権を有する裁判所となるそうです。

Shopifyは全世界に向けてサービスを提供しているので、その中立国ともいえるシンガポールに法的な軸を置いているようです。

サービス概要

Shopifyペイメントのサービスはあくまでもプロバイダーという立ち位置であり、金融・決済サービスの提供者ではありません。

Shopifyペイメントでの決済は正確には裏でStripeという決済システムが動いています。
つまりShopifyペイメントはStripeとお客様の決済情報を繋ぐハブのような役割となっています。
日本で利用する場合は日本の法律に基づいて設立されたStripe Japan株式会社が決済処理を行ないます。

Shopifyペイメントはあくまでもアカウントの審査と決済の受付およびデータ処理を行うサービスであり、実際の決済はStripeが行う、このような仕組みです。

利用条件

国内アカウントにおいてShopifyペイメントを利用するためには日本国内に所在する事業者である必要があります。
また契約者(利用者)は20歳以上である必要があります。もし未成年の方が利用したい場合は法人または他の事業者と組んで契約者が20歳以上である必要があります。
また暴力団員など一般的にNGな方々も利用できません。

事業者情報の提示

必要に応じて事業者の情報(代表者の身分証明書や会社の登記簿情報)をShopifyに提示する必要があります。

事業者情報の審査

Shopifyは提出された事業者情報や信用情報機関などの情報を基に審査を行ないます。
そのため会社や個人事業主に関する情報が参照されることに同意する必要があります。

第三者による監査

もし契約者がセキュリティ違反や個人データ漏洩などの恐れがあるとShopifyが判断した場合、契約者の費用負担によって第三者による監査が入ります。
悪いことはできない、ということですね。

関連法案の順守

消費者保護法、不正競争防止法など一般的に制定されている法案に順守する必要があります。

手数料の徴収・回収

決済手数料の徴収はStripeが行ない、回収は売上から差し引く形で回収されます。
もし回収の際に資金が不足している場合、別の方法で回収されることがあります。

準備金(保留金)

返金などに対応するため、Shopifyペイメントで決済された売上の一部は一時的に準備金として保留されます。
これはAmazonでいう「引当金」にあたるもので、その条件はマーチャント(取引量)によって異なるようです。
そこまで取引件数、売上額が大きくなければ気にする必要ありませんが、金額が大きくなるとある程度返金やチャージバックが起こる可能性を加味して保留される可能性があります。
特に短期間で急激に売上が増えた場合は注意が必要です。

契約期間

契約期間=ストア利用期間となりますので、Shopifyペイメントの登録設定をした日からストアを閉店するまでといえるでしょう。

契約終了方法

利用者(マーチャント)はShopify管理画面からストアの閉鎖をすることで直ちにShopifyペイメントの利用(契約)も終了となります。
逆にShopify側は、利用者に何らかの問題があると判断した場合、一方的に利用停止・サービス提供終了をする権利があるそうです。

また、終了すると直ちにペイメントサービスの提供は終了するため、手数料の残額などがある場合は返金されないそうです。
もしストアを閉鎖する場合は全ての取引が完了しており、稼働していない状態で処理する必要があります。

事業変更の通知

もし当初運営していた商品・サービスあるいは運営者が変わる場合、速やかに通知する必要があるそうです。

できること

それではShopifyペイメントにおいて、できることをまとめていきます。
冷静に考えれば「当たり前じゃないか」という内容が多いですが、利用(もしくは提案)にあたって気を付けたいポイントです。

注意

概略的に書いていきますので、正確なニュアンスは利用規約原文を参照ください。

決済の受け入れ

インターネットベースでのクレジットカードなどの決済方法による決済の受け入れと、POS機器を利用したPOS取引によって処理したデータ送信サービスを利用することができます。

サポート

Shopifyペイメントに関する問題解決のためにShopifyがカスタマーサポートを提供しています(この場合のカスタマーは主にマーチャント)。
しかし重要な文言として「商業上合理的な努力を払う」とあるため、あくまでも問題解決に対してサポートはするけど確実に解決できることを保証するものでは無い、といったニュアンスがうかがえます。

セキュリティの保持

Shopifyのサーバーに保管されている顧客情報はShopifyの責任において厳重に保護してもらうことができます。
(ただし不正アクセスなどを100%保護することはできないよ、という記載はあります)

情報の開示・通知

決済に関する情報は管理画面やメールなどで開示・通知してくれます。

事業用途

Shopifyペイメントは商品およびサービスの販売を日本国内で運営する事業者にのみ提供されます。

できないこと

Shopifyペイメントにおいて、できないこと(禁止されていること)をまとめていきます。
こちらも冷静に考えれば「当然」という内容ですが、利用(もしくは提案)にあたって気を付けたいポイントです。

注意

概略的に書いていきますので、正確なニュアンスは利用規約原文を参照ください。

第三者に利用させる

Shopifyペイメントのサービスはあくまでも決済のために使うものであり、サービスそのものを第三者に利用させることはできません。要するに「また貸し」のようなイメージですね。同様に使用権利を他社に譲渡することもできません。

要するに「契約者が提供する商品やサービスのためだけに利用する」ということですね。

競合サービス構築のための分析

要するにShopifyペイメントと同じようなサービスを構築するためにプログラムの中身を見てはいけない、ということです。
本来の使い方とは異なるので当然ですね。

税金の設定・申告

地域を問わず、税金の設定や徴収、申告はマーチャント側の責任となりShopifyペイメント(またはShopify)が代行することはありません。
(設定した税額の計算や集計自体は売上レポートで参照可能です。)

手数料の追加徴収

マーチャントは顧客に対して決済手数料を割り増しで課すことはできません。
ただし「法律で禁止されている場合」と記載があるので、この法律が何に該当するのか分かりませんでした。
いずれにしても「決済手数料を勝手に水増しして請求する」という行為が禁止だと解釈しておけばいいと思います。

現金の前渡し

クレジットカードの利用可能枠を利用して現金を前渡しすることはできません。

商品・サービス外の取引

商品やサービスと関係ない取引のための決済に利用することはできません。
私が思いついた例ですが、例えば商品を購入してもらったお客様と食事に行き、その食事代をShopifyペイメントで決済してもらう、などでしょうか。
ストア運営と直接的に関係ない決済には利用できません。

個人利用

非商業的、個人的な目的あるいは家族もしくは家庭用として使用することはできません。
※個人事業主はもちろんOKです

禁止事業

Shopifyペイメントが利用を禁止している事業は下記の通り明記されています。

  • クレジットおよび金融商品
  • 金融サービスや法律サービス
  • 仮想通貨、電子マネー
  • アダルトコンテンツおよびアダルトサービス
  • 記事作成サービス(論文作成代行サービス)
  • 偽造品または違法品
  • 知的財産権の損害
  • ギャンブル
  • 規制対象の商品およびサービス(タバコ販売など)
  • 制裁を受けている国、組織、個人など
  • 一獲千金をうたうサービス
  • 付加価値のないサービス
  • アグリゲーション
  • 生きている動物
  • 個人への寄付金
  • 大使館、外国領事館、その他の外国の政府機関
  • リスクの高い事業
  • 規制対象薬物
  • 加盟禁止ストアリストに掲載されているストア商品の調達
  • 疑似医薬品
  • SNS活動
  • 違法薬物を模倣して製造された物質
  • テレマーケティング
  • さまざまなサービス
  • ビデオゲームや仮想空間のクレジット

法律に違反する内容は当然ですが、「リスクの高い事業」は多岐にわたる事例が掲載されていましたので、特殊なサービスやビジネスモデルの場合は要注意です。

その他にも詐欺や転売などに該当する「一獲千金をうたうサービス」や「付加価値のないサービス」もShopifyペイメントが利用できません。
また下から2番目の「さまざまなサービス」は「産業廃棄物処理、浄水器、廃棄物処理機、健康器具など」と記載がありました。

まとめ

今回の記事をまとめるために私自身も改めてShopifyペイメントの利用規約をじっくりと読み込みました。

法律関係に明るいわけではないのと、ここに記載したのは概略的な部分なので詳しくは原文をチェックしてみてください。
特に禁止事業の「リスクの高い事業」に関しては意外と線引きが難しい内容もあって驚きました。

もちろん、これらは「規約」であって「法律」ではありませんので、基本的な解釈としては「何か問題が起きた場合にShopifyは責任を負わない」「マーチャントと決済したお客様側で問題解決にあたってください」という認識になろうかと思います。

利便性が高くスピード感もあるShopifyやShopifyペイメントですが、当然のことながら「何をしてもいいわけでは無い」ということは肝に銘じておく必要がありますね。

これからShopifyでオンラインストア運営をされる予定の方はもちろん、Shopifyパートナーとして構築や運用代行をサービスとして提供される事業者様も今一度しっかりと確認して、お客様に対して正しくアプローチできる参考になれば光栄です。

補足

ご紹介したShopifyペイメントの利用規約は記事公開時の情報です。内容の改定があった場合は記載の内容と異なる場合もありますので予めご了承ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です