呉 達人
Shopify新規構築をはじめ、自社EC・Amazon・楽天市場・クラウドファンディングを活用した総合的なEC運営支援に取り組んでいます。
ここ最近、WEB業界やEC業界で「NoCode(ノーコード)」という言葉が浸透してきました。
NoCode(ノーコード)とはソースコードを記述することなくWEBサイト、オンラインストア、アプリなどを開発する手法やサービス全般と言われています。
Shopify(ショッピファイ)もノーコードでストア構築ができるプラットフォームと言って間違いではありません。
ノーコード開発の最大のメリットは非エンジニアでもストア構築ができる点。
Shopifyであれば直感的な操作で写真やテキスト、商品情報さえあれば簡単にストアをオープンすることが可能です。
とはいえ、せっかくShopifyでオンラインストアを構築するなら他店と同じようなデザインでは嫌だ、と考える方も多いでしょう。
しかし自分自身ではデザインやプログラミングの知識も経験もなく、プロに依頼するほど資金に余裕はない・・・
恐らくこうした状況のストアオーナーやマーチャントも決して少なくないはずです。
そこで今回は、こうした課題を解決してくれるページビルダーアプリ『PageFly Landing Page Builder』をご紹介します。
目次
ページビルダーとは?
まずアプリを紹介する前にページビルダーについて簡単に触れておきます。
ページビルダーとはWEBサイトやオンラインストアなどでページを作成する際に利用するツールの一種です。
例えば『WIX』という無料でも利用できるWEBサイト作成サービス。
このWIXはサービスそのもののがページビルダーとなっており、ユーザーはドラッグアンドドロップなど直感的な操作でWEBサイトを構築できます。
他にもWEB関連なら『WordPress』で使えるページビルダープラグインがあります。あるいは『ペライチ』や『Strikingly(ストライキングリー)』、EC関連なら『BASE』も近いものがあります。
Shopifyの場合はサービスそのものがノーコードで利用できるページビルダーとも言えますし、今回ご紹介するShopifyアプリによって、よりオリジナリティを出すことも可能です。
PageFlyとは?
PageFlyはShopifyのトップページ、商品ページ、コレクションページなどを自由にカスタマイズできるページビルダーアプリです。
この記事を書いている2020年9月時点で3,000件を超えるレビューが投稿されており、総合評価4.9という高い評価を得ています。
PageFlyのメリット
PageFlyのメリットは大きく3点あると考えています。
簡単なのに高いクオリティ
PageFlyを利用する最大のメリットは先ほども書いたようにノーコードあるいは非デザイナーでも本格的なページ作成ができる点です。
作成したいページの画像やテキスト情報さえ揃っていれば、自由にレイアウトして組み込んでいくことが可能です。
非エンジニアや非デザイナーの方はもちろんですが、知識がある方が活用すれば短時間で高品質なページ作成ができる便利なページビルダーと言えます。
自由度が高い
PageFlyで出来ることは「ほぼ自由」です。
ページ全体の設計(カラム数、画像やテキストの配置など)はもちろん、フォントのサイズや種類の変更、各セクションとの間隔(マージン・パディング要素)の調整、マルチデバイス設定など必要な編集が自由にできます。
操作自体も基本的には管理画面に沿って設定していけばいいので専門的な知識は不要です。
無料プランあり
更に嬉しいのは無料プランがあること。
ページタイプごとに1ページだけにはなりますが無料で利用できるので、とりあえずのお試しでも利用できます。
またストア全体のデザインはShopifyテーマを使い、特定のランディングページ、あるいは商品だけPageFlyを使うといった使い方もできます。
そのため、先ほども書いたようにデザインやHTMLの知識がある方が特定のページを素早く納品する、といった使い方もできます。
PageFlyのデリット
基本的にはメリットが多いPageFlyですが、もちろんデメリットや注意するべきこともあります。
操作に慣れる必要がある
PageFly自体の操作に慣れるまで少し違和感や使いづらさはあるかなと思います。
実際に弊社でもPageFlyを使って特定のページを作成する依頼を頂いたことがあります。
その時に初めてPageFlyを利用したのですが、最初は「どこに何があるか分からない」といった不慣れから来る不満や使いにくさはありました。
もちろん一度使い方さえ覚えてしまえば問題ありませんので致命的なデメリットとは言えません。
どんなShopifyアプリでも最初は使い方がわかるづらいといったデメリットはありますので許容範囲内かなとは思います。
ストアが重くなる可能性あり
これはPageFlyだけでなく、ノーコードツールやサービス全般に言えることですが、ストアの速度が重くなる可能性はあります。
ノーコードツールとは言っても実際には裏側でコードが書かれており、それが表示されて利用できます。
そもそも「コードを書く」ということはサイトやストアを構築するために必須の作業です。
こうした作業を「視覚的な操作」で代替してくれるのがノーコード系のアプリやツールです。
つまり「コードを書くためのコードが書かれている」と言い換えることも出来ます。
例えば「フォントサイズを変える」という設定をする場合、本来はCSSを使ってコードを書けば設定できます。
これをノーコードで対応する場合「管理画面上でフォントサイズを変更するパーツ」を出すためのコードを書き、それが管理画面に表示されているからこそ、コードを書かず、表示に従って設定すれば完了するのです。
細かい話ではありますが、これが積もり積もると裏側で動いているコード自体は増えていきますので、結果としてストアの表示スピードや動作に影響を及ぼす可能性は考えられます。
以前に比べてインターネットの通信速度自体が向上していたり、Shopifyが提供するサーバーのクオリティが高いことから最近はそこまで顕著ではありませんでしたが、一昔前はノーコード系のアプリやサービスで作ったサイトは物凄く「重かった」です。
この辺りは利便性の裏にあるデメリットと言えますので、予め認識しておいたほうがいいかと思います。
基本的なデザイン知識は必要
PageFlyはあくまでもページを作成・カスタマイズするためのツールです。
それを表現するのは操作する人自身です。
ストアオーナーが自ら作業する場合はオーナー自身のデザインに対する知識は問われます。
デザインの知識といっても専門的な知識ではありません。
ここで言いたいのは基本的なこと、いわば「訪問者が見やすいデザイン」にすることです。
例えば「背景が赤」のページは目がチカチカして見づらいものです。
ここまで極端な例は多くの方が「ダメだ」と分かりそうですが、下記のような場合はどうでしょうか?
- フォントサイズがやたらと大きい
- 各セクションの間隔が狭すぎて読みづらい
- 画像のファイルサイズが大き過ぎて重い
- 見出しの背景と文字の色が同系色で見づらい
こうした「素人感が出てしまう」のはPageFlyどうこうの問題ではありません。
デザインの基礎的なことは専門書を読んだり専門学校に通わなくても勉強できます。
ストア運営に直結する知識ではないかもしれませんが、もし中長期的に自分自身でストア運営をしたいとお考えのオーナーやマーチャントさん、担当者さんは是非基礎だけでいいので知識として入れておくのがオススメです。
そこまでの時間がない方は、せめて様々なストアやWEBサイトを見て「カッコいいページだな」という感覚を養っておくのがオススメです。こうした感覚を持っていれば、いざ自分で作ろうと思ったときにフォントサイズやレイアウトの間隔などを気にするようになるはずです。
繰り返しますがPageFlyはあくまでもツールであり、それを「扱う人」次第で良いページにもなれば、使いづらい・見づらいページにもなるという点は注意が必要と言えるでしょう。
まとめ
使いやすさはデメリットでも書いたように最初は慣れが必要ですが、慣れてくれば使いやすいアプリ(ページビルダー)と言えます。
どのページをカスタマイズするかにもよりますが、商品ページやキャンペーンページなど商品販売に直結するページで利用すれば売り上げに貢献できるでしょう。
料金プランも利用したいページ数に応じて段階的な設計になっているので良心的と言えます。
Shopifyで利用できるページビルダーアプリとしては総合的に大変優れたアプリです。
とはいえデメリットでも書いたように「扱う人」によっていかようにも変わります。
基本的にはご自身で操作するのに向いているアプリですが、例えばPageFlyを使って依頼する、という選択肢があってもいいでしょう。
活用の仕方も自由ですので、ぜひストアの運営方針にマッチした使い方を考えてみてください。
ご紹介したShopifyアプリの価格や機能、レビュー状況は記事公開時の情報です。サービス自体の有無も含めて時間が経過すると変化します。最新情報はShopifyアプリストアの各アプリページをご確認ください。