呉 達人
Shopify新規構築をはじめ、自社EC・Amazon・楽天市場・クラウドファンディングを活用した総合的なEC運営支援に取り組んでいます。
Shopify(ショッピファイ)では注文を受ける際にクレジットカードやAmazon Payなど幅広い決済方法の利用ができる点は魅力の1つです。
直近では6月18日にPaidyとの連携、6月25日には楽天ペイが利用できるSBペイメントとの連携を発表。
より豊富な決済方法の提供によって利便性を飛躍的に向上させ、マーチャントとストア利用者を繋いでいます。
こうした注文はマーチャントが出品している商品を顧客が購入して、決済を済ませれば「支払い済み」となってマーチャントが発送を行なう、という流れが一般的です。
一方、Shopifyには手動で注文を作成できる機能もあります。
具体的には顧客が商品を選んで決済するのではなく、ストア側で特定の商品をピックアップして注文を作成し、それをメールで通知して決済してもらったり、あるいは店舗やポップアップストアなど現場で直接現金をいただくといった支払いで注文を処理させることができます。
これによって、例えば電話で注文を受けてメールで送信する(店舗があれば店舗にきて支払ってもらう)といったインターネット以外からの受注にも対応することが可能になります。
あるいは、そこまで取引先の数が多くない場合は簡易的な卸売の対応にも利用できます。
そこで今日は手動での注文作成機能について、具体的な使い方や機能を見ていきましょう。
目次
注文作成する
「注文管理」から注文一覧ページを開くと右上にボタンがあります。
シンプルなUIなのでそこまで迷うことはないかと思います。
それぞれの機能についてまとめていきます。
注文詳細
作成したい注文の商品を選択します。
数量が選択できるのはもちろん、この注文限定のディスカウント(値引き)も設定可能です。
例えば卸売の対応をする場合、ここで40%OFFにすれば実質6掛けでの注文作成が可能です(もちろん掛け率や対応可否は事前調整が必要です)。ディスカウントの理由も記載できます(この内容は先方の請求画面にも掲載されます)。
個別で送料を設定したい場合は追加も可能。また管理用にメモの記載もできます。
一通り設定すると、このような感じになります。
すべて自動で計算してくれるので便利ですね。
請求書をメールで送信
メールで請求を通知して、そこからクレジットカードなどストアで導入している決済方法にて支払ってもらう方法です。
ベースとなるメールのテンプレートは「通知→下書き注文の請求書」で設定可能です。
更に「このお客様へのカスタムメッセージ」の欄には今回だけ送信できる内容を追加できるので、お客様の名前を入れてメッセージを添えると良いでしょう。
入力を終えたら確認画面で内容を確認できます。
問題なければ「通知を送信」を押せばメールが送信されます。
本件に限らずですが、Shopifyから送信するメールはサーバーの仕様上、携帯キャリアメール(特にDocomo)に届きにくいことがあります。なるべく回避することを推奨します。
支払いを受け付ける
「請求書をメールで送信」が遠隔操作で決済を案内する方法だったの対して「支払いを受け付ける」は現場での対応で使用します。
それぞれの機能は下記の通りです。
クレジットカードでのお支払いを選ぶと下記のような場面が表示されます。スタッフ側から見えないようにしてお客様に入力してもらいましょう。
注文完了・在庫変動のタイミングについて
手動での注文作成でも処理が完了して注文が確定すると通常の注文と同じようにShopifyから通知が入り、注文内容に応じて在庫も減ります。
ただし、このタイミングについては先ほど紹介した支払い方法によって若干異なるので注意してください。
具体的には下記の通りです。
- 請求書をメールで送信:受信した人が決済を済ませたら注文完了(在庫が減る)
- 支払い済みとしてマークする:この処理を決定した時点で注文完了(在庫が減る)
- 保留中としてマーク:この処理を決定した時点で注文完了(在庫が減る)
- クレジットカードでのお支払い:この処理を決定した時点で注文完了(在庫が減る)
つまり「支払いを受け付ける」の処理をすると、その場で注文作成が完了して在庫が減り、あとは支払いを受け取るか、受け取っていれば発送する、という処理になります。
一方、「請求書をメールで送信」に関しては通知したお客様が決済を完了して、はじめて注文が完了(在庫が減る)となります。
そのため取り置きのような対応をするなら「支払いを受け取る」を利用することで在庫を減らすことが出来ますが、メールで送信する場合はお客様が決済を完了しないと注文作成が完了しないため、その間は在庫が減りません。タイミングによっては他のお客様からの注文によって在庫が変わってしまう可能性もあるので注意が必要です。
幅広い受注対応が可能
手動の注文作成を活用することで通常運用の自動受注と併せた幅広い受注対応が可能になります。
- 電話による受注
- 事前受注・店舗での取り置き
- 展示会や友人知人など口頭による受注
- 個別のディスカウントに対応した受注
- 簡易的な卸売対応による受注
こうした受注に対応したいストアは是非活用してみてはいかがでしょうか。