呉 達人
Shopify新規構築をはじめ、自社EC・Amazon・楽天市場・クラウドファンディングを活用した総合的なEC運営支援に取り組んでいます。
本記事は2023年5月時点のShopifyプランおよび料金体系を掲載しています。
今後変更になる可能性は十分に考えられますので、最新情報はShopify公式サイトを確認ください。
ECカートシステムとして日本国内でも知名度や導入企業が増加してきたShopify(ショッピファイ)。
当サイトでもShopifyの魅力・メリット・強みなどを様々な視点からご紹介してきましたが、今回は2023年版のShopifyプラン比較とオススメをご紹介していきます。
Shopifyが日本に本格上陸したのが2017年頃で、そこから6年が経とうとしています。
当初からShopifyを利用するための料金体系は無料プラン無し。
期間限定の無料体験を経て、ベーシック・スタンダード・プレミアム・Plusの4プラン。
さらに2022年9月からスタータープランが新たに提供開始されました。
2023年時点で合計5プランが用意されているShopify。
Shopifyを利用するのは決まっているけど、どのプランがいいのか分からない…
という方もいらっしゃると思いますので、2023年最新版のShopifyプラン比較とオススメプランをご紹介します。
目次
Shopifyプラン比較
まずは2023年5月時点のShopifyプランと料金体系を比較してみましょう。
一般的なサブスクリプションサービスと似ていますが、毎月支払う「月払い」か、年単位で一括で支払う「年払い」を選択できます。
支払うタイミングはもちろん、料金も変わってきますのでご注意ください。
月払いの場合
プラン名 | 料金 |
---|---|
無料体験 | 3日間無料(※) |
スターター | 月額5ドル |
ベーシック | 月額33ドル |
スタンダード | 月額92ドル |
プレミアム | 月額399ドル |
Shopify Plus | 月額2,000ドル~ |
※最初の3ヵ月間はベーシック・スタンダード・プレミアムは月額1ドルで使用可能
年払いの場合
プラン名 | 料金 |
---|---|
無料体験 | 3日間無料 |
ベーシック | 月額25ドル(25%OFF) |
スタンダード | 月額69ドル(25%OFF) |
プレミアム | 月額299ドル(25%OFF) |
主要3プランは年払いがオススメ
以下、ベーシック・スタンダード・プレミアムを「主要3プラン」と記載します。
(スターターとPlusは後ほど補足します)
まず単純に月額料金で比較すると、月払いよりも1年分を一括払いする年払いの方が25%OFFとなっています。
EC運営は年単位で育てていくものですので、その方針が固まっているのであれば年払いがオススメです。
短期的にまとまった金額になりますが、総額的に安くなるので経営判断としては合理的だと考えています。
とはいえ、いきなり年払いは不安なので小さく始めたい、という場合には月払いでもいいでしょう。
以前は無料体験7日間で、その後はすぐに正規料金という体系でしたが、現在は無料体験が3日間と短くなった代わりに、3ヵ月間、主要3プランは月額1ドルという料金体系になっています。
つまり実質3ヵ月間は3ドルで利用でき、4ヵ月目からが各プランの料金になります。
主要3プランの違い
ではShopifyプランにおけるベーシック・スタンダード・プレミアムの違いは何か?
細かい違いはありますが、比較対象・判断材料として大きな目安になるのは以下の通りです。
- 招待可能なスタッフアカウント数(プランごと)
- レポートの精度とカスタマイズ性(プランごと)
- 自動化ツールShopify Flow(スタンダード~)
- 外部サービスの計算済み配送料(プレミアム~)
- 関税と輸入税の計算機能(プレミアム~)
招待可能なスタッフアカウント数
Shopifyの管理画面にアクセスできるのは「オーナー」「スタッフ」「コラボレーター」の3種類です。
「オーナー」は文字通り、ストアの管理者。
具体的にはShopifyプランの支払いなどに使うクレジットカードを管理している人が該当するケースが多い傾向にあります。
オーナー権限は1名のみです。
「コラボレーター」は弊社のようなShopifyパートナーのことです。
ShopifyパートナーやShopifyエキスパートは専用の管理画面を保有しており、そこからストアにアクセス申請します。
ストアにアクセスできるコラボレーターの上限数はありません。
そして「スタッフ」はオーナーでもなく、Shopifyパートナーでもない権限。
具体的には社内のスタッフやShopifyパートナーではない外部委託先(例えばライターやデザイナー)などが該当します。
このスタッフを招待できる人数には上限あり、その違いがShopifyプランの違いです。
現時点でベーシック2名・スタンダード5名・プレミアム15名となっています。
レポートの精度とカスタマイズ性
GA4などの外部ツールで各種指標を計測してストア分析に活用できますが、Shopifyとしてもストア分析機能があります。
その精度(閲覧できる項目数の違い)やカスタマイズできる範囲の違いもShopifyプランの違いとなっています。
月額料金が高いプレミアムが最も優れており、よく見たい指標をカスタマイズも可能。
スタンダードはカスタマイズ性こそプレミアムには劣りますが、ベーシックよりも項目が増えるので精度は高いです。
ベーシックは最低限なので、分析はGA4など別途外部ツールを使うのが現実的となります。
自動化ツールShopify Flow
Shopify Flow(ショッピファイ フロー)とは特定の条件に合致する場合、自動で処理を行なうオートメーションツールです。
以前はプレミアムかPlusプランでしか利用できませんでしたが、2022年よりスタンダードプランから使用可能となりました。
ここでShopifyFlowに関する具体的な説明は割愛しますが、ある程度決まっている作業や処理を予めShopifyFlowで組んでおくことで、少ない人数でも効率的なEC運営が可能となります。
予めShopifyFlowを使用して仕組化したい処理や設定がある場合はスタンダード以上を選択する必要があります。
→不正注文は注文管理画面で目視できますが、特に処理はされません。
そのため仮に出荷を自動化している場合、不正注文の疑いがあっても自動的に出荷処理を進めてしまいます。
そこで「自動的にキャンセルする」処理を入れることで、出荷を止めることが可能となります。
配送料・関税・輸入税の計算機能
最後の2つはプレミアム(またはPlus)限定機能ですが、日本国内のみで販売するECサイトであれば特段不要です。
越境ECとして海外向けに販売する場合や、海外・日本どちらも販売する場合、国(地域)によって配送料や関税などが変わってくるため、その計算を自動的に行なってくれる機能が必要です。
それらの機能が必要な場合はプレミアムになります。
Shopifyプランを選ぶポイント
主要な標準機能はほぼ同じ
利用できる標準機能は主要3プランにおいて、ほぼ同じです。
注文管理・商品管理・顧客管理・ストアカスタマイズ・アプリ・配送料・決済機能などECサイトに必要な機能は標準で用意されています。
逆に言えばベーシックプランであっても本格的なECサイト構築運営が可能であり、具体的にはベーシックプランでも月商100万円以上、年商数千万円規模にすることは十分に可能です。
その点はShopifyプランの違いというより、商品競争力やブランディングなどが重要になります。
クレジットカード手数料は微々たる違い
よくご質問いただくのは「クレジットカード手数料の違い」に関してです。
確かにベーシックよりプレミアムの方が低く抑えられます。
とはいえ、最も低い手数料で比較するとベーシック3.4%、スタンダード3.3%、プレミアム3.25%の違いです。
約0.1%の差をどう捉えるかは様々ですが、少なくとも月商数十万円規模であれば、正直あまり気にする要素ではありません。
(他に気にすること、やるべきことがたくさんある、という意味です)
クレジットカード手数料の違いだけでShopifyプランを選択するのはオススメしません。
スタンダードが総合的にバランス良い
これらの違いや料金も踏まえると、総合的にバランスが取れているのはスタンダードプランです。
月額換算10,000円以下にも関わらず、レポート精度はベーシックより飛躍的に上がり、ShopifyFlowが使えるのは魅力的です。
スタッフアカウントも5名までなら役割分担しても十分に賄えるのではないでしょうか。
もちろん、それ以上の規模が必要になった場合には必然的にプレミアムプラン(またはPlusプラン)となりますので、迷ったらスタンダードプランをオススメしています。
Shopifyプランの特徴
最後にShopifyプランを選択するうえで押さえておきたい特徴をまとめておきます。
スタータープランとは?
月額5ドルという安価で利用可能なスタータープランは簡易的な自社EC機能といえます。
決済機能・注文管理・ストア分析といったEC運営に必要な最低限の機能は揃っています。
一方で、いわゆる「ECサイト」を作ることはできません。
スタータープランでは「商品ページ」の作成は可能ですが、それらをまとめたサイトのような作りにはできません。
あくまでも商品のみ登録できて、そのリンクをSNSや動画サイトなど外部サイトに掲載することで集客を行ない、決済はShopifyで可能、というイメージです。
スターターという文字通り「商品を販売するアイデアや実物はあるけど、ECサイトを運営するまでには至らない」というケース。
あるいはすでにフォロワーがたくさんいるクリエイターなどが商品だけを販売したい場合に活用するのはシンプルかつセキュアな決済環境なのでオススメですが、一般的なECサイトは運営できません。
Plusプランとは?
桁違いに月額料金はアップしますが、それ以上の価値と機能があるのはShopifyPlusプランです。
まず最大の特徴は「Shopify本体あるいはShopifyPlusパートナーの紹介経由でないと導入できない」という点。
他の4プランはEC運営者(マーチャント)が自ら申し込みすれば利用可能ですが、Plusプランは誰でも使えるわけではないのです。
ShopifyPlusパートナーと契約を行ない、Plusパートナー経由でShopifyに申し込みをします。
またShopifyの方でも審査や確認を行ない、承認されて初めて利用できる最上位プランです。
あくまでも目安ではありますが、EC単体で年商1億円、あるいは会社として年商3~5億円以上であれば導入可能とされています。
逆に言えば、それより年商が少ない場合は他のプランでECサイトを育てる必要があります。
残念ながら弊社はShopifyPlusパートナーではないので直接ご相談を受けることはできませんが、ご紹介は可能です。
いつでもプラン変更可能
Plusプランを除く他4プランは基本的にいつでもプラン変更が可能です。
(Plusプランもダウングレード自体は可能ですが、サポート体制も手厚いので事前に相談することになるでしょう)
アップグレードする場合は不足分の料金を支払い、ダウングレードする場合は差額分が返金されるので安心です。
これらの料金計算も決済日に応じて自動的に対応してくれるので、運営者のタイミングでプラン変更できます。
解約前に休止も可能
完全にストアを閉鎖する場合、どのプランであっても解約となりますが、その前に休止という選択肢もあります。
それが「Pause and Buildプラン」です。
具体的には月額9ドルを支払うことで、Shopify管理画面(アカウント)は維持できます。
またストア自体を残しておく(表示させておく)ことも可能です。
唯一できなくなる機能が決済です。
つまりお客様がアクセスしても商品購入はできません。
その代わりサイト自体は残しておけるので、閲覧は可能です。
何らかの事情で閉鎖はしないけど、ランニングコストは抑えてサイトだけ維持しておきたい場合に利用します。
オススメはスタンダード年払い
Shopifyのどのプランを選んだらいいかは人それぞれ判断が分かれるところですが、前述の通り、オススメはスタンダードプランの年払いです。
ECサイト運営は中長期的に取り組むのが前提となりますので、価格と機能のバランス的にスタンダードの年払いは非常にコストパフォーマンスが良いプランであると考えています。
もちろん、ベーシックプランの月払いが目の前のランニングコストという意味では最も安価であり、使える機能(Shopify標準機能)においてはそこまで大きな違いもないので利用者は多いと思われます。
それもそれでいいですが、事業として、仮に最低3年はやるぞ、というケースならスタンダードの年払いでじっくり使い込んでいくのが良いでしょう。
いずれにしてもマーチャント様によって様々な事情もあるとは思いますので、迷ったらお気軽にご相談ください。