IT導入補助金でECサイト構築するメリット・デメリット

呉 達人

こんにちは。長野県佐久市のShopify Experts認定企業・合同会社FRONTIER TRADE代表の呉(くれ)です。
Shopify新規構築をはじめ、自社EC・Amazon・楽天市場・クラウドファンディングを活用した総合的なEC運営支援に取り組んでいます。

2023年度もIT導入補助金の実施が決まり、すでに交付申請が始まっています。
IT導入補助金とは、その名の通りITツールおよびハードウェアの導入に特化した補助金です。
対象となる事業の範囲は他の補助金に比べると限定されますが、その分だけ補助率は高い補助金となっています。

また弊社のようなIT導入支援事業者を経由して交付申請を行なうため、採択率も非常に高い傾向です。

補助対象になるITツールは主に会計・受発注・決済・EC分野のいずれかとされています。
当然、ECサイトの新規構築は対象となっています。

総合的に考えるとIT導入補助金を使ってECサイトを構築するのはメリットが多いですが、注意すべき点(デメリット)もあります。

そこで今回はIT導入補助金支援事業者であり、ShopifyExperts認定企業でもある合同会社FRONTIER TRADE代表の呉(くれ)がIT導入補助金でShopifyを活用したECサイト構築するメリット・デメリットを包み隠さずお伝えします。

IT導入補助金のメリット

まずはIT導入補助金でShopifyを活用したECサイト構築するメリットをまとめていきます。

採択率が高い

一般的な補助金を利用したことのある方ならご理解いただけると思いますが、補助金は種類によって採択率が異なります。
申請内容に対して補助金を管轄する事務局が審査を行ない、適正と判断された企業や事業者に対して「採択」がおります。

申請者は採択がおりて初めて、希望する事業をスタートして、各種業者に発注したり、物品を購入したりできます。

IT導入補助金にも採択可否の審査が入りますが、その採択率は高い傾向にあります。
参考までに弊社経由のIT導入補助金採択率は現時点で100%です。

全体としても90%以上といわれており、きちんと要項通りに申請すれば、ほぼ間違いなく採択されるようです。

注意

棄却となる場合、過去に同じ補助金を受けたことがある、補助金に関する不正行為がある、虚偽記載がある、といった可能性が考えられます。

補助率(額)が高い

IT導入補助金の性質上、補助対象となる事業内容がITツール導入に限定されている分、補助率(額)は高い傾向にあります。

具体的には、Shopifyを活用したEC構築に該当する「デジタル化基盤導入枠」は経費総額が50万円以下の場合は最大3/4(75%)、50万円超~350万円まで最大2/3(約66%)となっています。

つまり、例えば50万円の構築費だった場合、実質125,000円で構築可能です。
(個人的に、こういった値引きと思わせる表現は好ましくないですが…)

一般的な補助金なら50%とか10万円までといった形で、あくまでも「補助」というニュアンスが強い傾向にありますが、IT導入補助金に関してはかなり大きな補助・支援といえます。

Shopify利用料2年分も対象

IT導入補助金の「デジタル化基盤導入枠」はITツールのサブスクリプション費用も事業経費として対象となります。

つまりShopifyなら月額利用料としてベーシック・スタンダード・プレミアムからプランを選択して支払いしますが、その利用料も2年(24か月)分は補助対象となるので、前述の通り最大3/4または2/3で利用できます。

最初からある程度の規模感を目指して構築するなら、スタンダードまたはプレミアムプランを選択して、補助金の恩恵を受けることができますね。

EC開設後のサポートも対象

補助対象となるのはECサイトの構築費だけでなく、その後のサポートも1年分は対象となります。

例えば弊社では月額1,3,5,10万円という金額設定の中で、お客様が必要とするサポートをお選びいただき提供しています。
仮に月額1万円のプランなら直接作業はしませんが、Shopifyの使い方やEC運営全般についてご質問いただけます。
金額が増えれば増えるほど、弊社もEC運営に参加させていただき、実務的な作業も含めてサポートできます。

こうした構築後のサポートも補助対象となるので「作って終わり」ではない総合的なサービス提供が可能です。

IT導入補助金のデメリット

メリットを中心に書いてきましたが、もちろんデメリット(注意すべき点)もあります。
過去の実務経験も踏まえ、弊社としてこれらはデメリットかなと感じた要素をピックアップします。

交付申請と報告の手続きが必要

IT導入補助金に限らず補助金全般そうですが、まず交付申請を行ない、採択されたら事業を実施。
納品が終わったら報告作業の手続きが必要です。

IT導入補助金の場合は専用の管理画面を使用するので、用紙への記入といった煩わしさはないものの、必要書類の準備などはあります。
また、特に注意すべき点として交付申請よりも報告作業の方が手間がかかります

当然といえば当然ですが、補助金の不正受給などを防ぐため、補助金の要項(ルール)通りに事業が実施され、経費の支払いが行われ、ECサイトが完成しているか、といった「報告」はかなり細かくチェックされます。

実施自体に問題が無くても補助金のルール的にNGなケースもあるため、その点は少々面倒です。

とはいえ、修正すべき点は細かく指摘されますので、その通りに修正すれば取り消しになるといったことはないので心配はいりません。
また弊社では実際の報告作業も外部委託せず、責任をもって最後まで対応、フォローしています。

支援事業者に内部情報を開示する必要がある

交付申請時の注意点となりますが、必要な情報として前年、前々年度の売り上げや利益といった財務情報、従業員数、必要書類として登記簿謄本の写しなどが必要となります。

こうした情報は支援事業者もチェックを行ない、問題なければ交付申請を承認する、というプロセスとなっています。
そのため、支援事業者が申請者の内部情報を閲覧する必要があるため、実質、開示する必要があるといえます。

もちろん頂戴した情報は厳正に管理しますが、売上や経常利益といったリアルな数字も登録する必要があるため、その点は予めご了承ください。
※財務情報によって、例えば赤字だから採択されない、ということはありません。

対象経費は全額先払い

これが最も重要であり、よくご質問いただく内容でもあります。

交付申請の際に大まかな経費総額(50万円を超えるか否か)を申請しますが、最終的な支払いは支援事業者が発行する請求書の金額をもって確定となります。
例えば交付申請時は100万円を見込んでいたが、思ったより対応が少なかった(あるいは削った)ことで80万円になったとします。
その場合は請求書にて値引きを行ない、80万円でご請求します。

いずれにしても、これらの金額は全額先払いとなり、報告作業が完了してから約1ヵ月程度して補助金が入金されます。

つまり、たとえ50万円の構築費が実質12万円ちょっとで可能といっても、最初に50万円はご用意いただく必要があります。
お支払いから補助金の入金までには約2ヵ月前後はかかる傾向なので、資金繰りが厳しい場合は要注意です。

補助金があるからといって必要以上に作りこみすぎて経費が膨れ上がり、結果として支払い後に資金を圧迫するようでは本末転倒です。

だからこそ私は補助金を値引きのように表現するのは嫌っています。

補助金はあくまでも補助なので、資金的に余裕があり、後から補助金が入金されても問題ないという状況ではないと利用はオススメしません。

弊社の強み

最後に少しだけ弊社、合同会社FRONTIER TRADEの強みをご紹介します。

前述の通り、弊社はIT導入支援事業者として登録されています。
中でもShopifyを活用したECサイト構築を専門としています。

IT導入補助金を利用して、ShopifyでECサイトを構築したい企業様や事業者様にはピッタリです。
逆にShopify以外のECカートシステム(ストアーズ、カラーミーショップ、メイクショップなど)には対応しておりません。

Shopifyに特化しているからこそ専門性があり、Shopifyに関する知識、経験なども豊富です。
また、弊社はIT導入補助金の交付申請から報告作業まで一貫して対応・サポートしています。

支援事業者によっては、ECサイト構築は対応するけど、補助金関連は別の専門家に委託するケースも珍しくありません。
それはそれで効率的ですが、申請者様にとっては窓口が複数になり、財務情報の開示なども複数にわたります。

そういった意味で、弊社にご依頼いただければ交付申請から実際の構築作業、請求、報告作業、開設後のサポートまで包括的に対応できます。

弊社は長野県佐久市に本社を置く地方のIT企業といえます。
2023年5月時点で佐久市唯一のShopify Experts認定企業として、日々ShopifyやECに関する業務に取り組んでいます。

ぜひお気軽にご相談ください。

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